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十五年目の復讐  (ねこ3.8匹)

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ミステリ作家の西野冴子は、ストーカー扱いされた挙げ句、殺人事件の犯人として逮捕されてしまうが、一切心当たりがない。始まりは、彼女が受け取った一通のファンレター。些細な出来事から悪意を育てた者が十五年の時を経て、冴子を逃げ場のない隘路に追い込んでいく。残酷なほど計算し尽くされた罠に落ちる人間を描くサスペンスミステリ。 (裏表紙引用)

 

 

浦賀さんの最新刊。文庫書き下ろし。

 

これ、銀ちゃんシリーズだったのね。ということで、短編集のような体裁の連続ミステリー。ちなみに「Мの女」のサイドストーリーにもなっているのでご注意を。未読でも読めるとは思うけど、順番を守った方が楽しめるでしょう。

 

全てのお話に西野冴子という小説家を中心としたプロローグがついていて、それぞれの話とリンクしていくという構成。どうやら冴子の友人・亜美と交際しているタケルと、タケルの本当の彼女・白石唯は「殺人鬼カップル」らしい――。

 

一話目「スミレ色の手紙」では気に入らない人間に嫌がらせの手紙を送りつける主婦が登場。自分が出したウソの手紙から隣人が首を吊って自殺したらしいことを知る。よく練られていて騙された。これ、○○ファンの人には結構なヒントになるのかな。

 

二話目「生まれなかった子供たち」では唯の不倫相手であり冴子の従弟でもある男が登場。妻が誰かに階段の上から突き落とされ、流産してしまうという話。犯人にビックリ。本人にしたら普通のことでも人生こじらせてる人から見れば…ってあるかもしれない。

 

三話目「月の裏文明委員会」はなんだかタイトルにデジャヴが。。。もちろんあの過去作品をこすっている。作家・浦田の担当編集者が三年前一度だけ関係を持ったシングルマザー。近所に引っ越してきた彼女は子供は彼の子だと告白。男が1番恐れる展開じゃないかな。自業自得とはいえ。てか、犯人意外だしギョッエーーーー。。。さすが浦賀作品。個性生かしたなあ。

 

四話目「十五年目の復讐」ここでやっとすべてが繋がる。浦賀さんがお得意としているぐるぐるこんがらがった糸を全部最後に繋げちゃうやつ。浦賀作品では登場人物がみんなどこかおかしいのでそれほど驚かないが、今回の話は恨み骨髄って感じのドロドロ劇がアツい。

 

ていうか銀ちゃんに平穏はいつ訪れるんだ。。。