すべてが猫になる

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錆びた滑車  (ねこ4匹)

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若竹七海著。文春文庫。

 

女探偵・葉村晶は尾行していた老女・石和梅子と青沼ミツエの喧嘩に巻き込まれる。ミツエの持つ古い木造アパートに移り住むことになった晶に、交通事故で重傷を負い、記憶を失ったミツエの孫ヒロトは、なぜ自分がその場所にいたのか調べてほしいと依頼する―。大人気、タフで不運な女探偵・葉村晶シリーズ。 (裏表紙引用)

 


みんな大好き葉村晶シリーズ第5弾(あれ?もっとある気がしてたけど。。)。いつも文庫で出るのでありがたや。

 

今作の晶さんも読者の期待通り、満身創痍(笑)。愛用の大事な大事な本棚まであんなことこんなことに。いつも通りながら、登場人物が多く人間関係が複雑に絡み合っているので必死でメモを取った。まずは青沼ミツエと石和梅子の老婆コンビの大喧嘩に巻き込まれて大怪我するでしょ、ミツエの孫ヒロトの依頼を引き受けようとしたらアパート火災でしょ、元大家・巴さんの死んだ妹の娘がなんだかややこしいことになって晶さんがとばっちり食らうでしょ、同アパートの瑠宇さんが色ボケして訳わからん頼みごと持ってくるでしょ、あとは怪しい喫茶店を調べてたら凄い秘密が暴かれたり、刑事の当麻(この人めっちゃ嫌い!)にいじわるされたり。。。

 

多分書ききれてないけど、これが全部最後に繋がっちゃうんだからやっぱ凄い。ココとココは目くらましだろう、ミスリードだろう、と思ってもそうじゃないのが若竹作品なんだよねえ。晶さんを襲った人物の動機には呆れるしかないし、青沼一家の不幸体質(自業自得とはいえ)には他人事ながらヘコむばかり。唯一良かったのは、瑠宇さんとあの人の意外な結末かな(笑)。見ててこっちが恥ずかしいわ。


頭使う作品だったけど、やっぱこのシリーズいいな~。大好きだ~(晶さんの加齢による体調が心配だけど。年齢近いだけに)