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粘膜探偵  (ねこ3.5匹)

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飴村行著。角川ホラー文庫

 

戦時下の帝都。14歳の鉄児は憧れの特別少年警邏隊に入隊した直後、先輩のとばっちりを受け謹慎処分となってしまう。汚名返上に燃える彼は、巷で噂の保険金殺人事件を解決するため独自調査に乗り出すが…。軍部の思惑、昏々と眠る老女、温室で栽培される謎の植物、行方不明の少女―。すべてが交錯する時、忌まわしい企みが浮かび上がる。暴力と狂気が渦巻き、読む者の理性を抉り取る最凶の粘膜ワールド、6年ぶりの新作! (裏表紙引用)

 

 

粘膜シリーズ待望の第5弾。前作「粘膜戦士」から6年も経っていたとは。そして、読書メーターでは批判ばかり、アマゾンは絶賛ばかりっていう^^;みんな、他人の感想に引っ張られちゃうんだね。自分の感想書こうぜ。

 

私は期待していた通りの粘膜世界とは違った。どうやら路線変更を図ったらしく、完全なるノー・グッチャネの世界。戦時話そもそも苦手なんだよな~。説明文ばっかりで目がシバシバするわ~。トッケー隊が横暴すぎて久世を始めとする隊員全員不快でしかないし。主人公の鉄児が浅はかで魅力に欠ける。違法捜査で冤罪とかどんだけ。

 

その反面、爬虫人の影子の存在が際立ってた。嘘がつけないって一見素晴らしいけれど、正直過ぎて場の空気が凍るっていうね^^;それでも奇声をあげる病人の祖母が一番カッコ良かったんじゃないか。世界が崩壊するというよりは新世界の始まりを彷彿とさせるラスト、粘膜らしいと言えばらしいが今までのような突き抜けたパワーはないかな。この路線が続くならもうしんどいからリタイアかも。

 

そして読後浮かんだ疑問。探偵って出てきた?