「頼みがある。相撲を教えてくれないか?」神様がそう言った。子供の頃から相撲漬けの生活を送ってきた僕が転校したド田舎。そこは何と、相撲好きのカエルの神様が崇められている村だった!村を治める一族の娘・真夏と、喋るカエルに出会った僕は、知恵と知識を見込まれ、外来種のカエルとの相撲勝負を手助けすることに。同時に、隣村で死体が発見され、もつれ合った事件は思わぬ方向へ!? (裏表紙引用)
…なんかすごい小説だった。
幼い頃から両親の意向で相撲漬けの生活を送っていた少年・文季は、両親の事故死を機に久々留木村の高校へ。やっと相撲から逃れられると思っていた文季だが、なんとその村はカエルを神様と崇め相撲が盛んな閉鎖空間だった。転校早々、小柄ながらも知識と論理を駆使した文季の相撲に村の人々は尊敬の念を抱き、やがて村人のみならずカエルたちの指導者となる。折しも村ではトランクに詰められた死体が発見され――。という、なんだかあらすじだけ述べるとムチャクチャなお話。
実際本当にムチャクチャなのだが、年齢の割に達観した文季と勝気だがツンデレな夏見のデコボココンビが微笑ましいからいい。相撲はからっきし分からないが、文季の理に適った上達方法などなどを聞いていると「うんうん」って頷きたくなるんだよなあ。最初文季をナメていた生徒たちが次々と文季を頼りにしていく様も面白かった。
ただ、カエルが本当に出てくると思っていなかったので、カエルがいきなり相撲をとったり喋ったりし始めたのにはビックリした。。。カエルにはカエルに合った相撲がとかふんふんなるほど・・・って知らんがな^^;!相撲だけの薀蓄やカエルだけの薀蓄なら読めるけどカエルの相撲の薀蓄となるとキツい。このあたりはファンタジーや伝奇ものが好きな人なら面白く読めるかもしれない。
あとラストは良かったな~。タイガらしい甘酸っぱい微笑ましい感じ。これでかなり印象上がったかも。
と言いつつも、カエルネタに引いたっていうのと、殺人事件はいらなかったかな?と思ったので評価としてはこれぐらい。でも城平さんらしく変わってて面白いよ。