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ソロモンの偽証 第Ⅱ部 決意

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宮部みゆき著。新潮社。

 

騒動の渦中にいるくせに僕たちは何も知ろうといなかった。けど、彼女は起ちあがった。校舎を覆う悪意を拭い去ろう。裁判でしか真実は見えてこない!彼女の覚悟は僕たちを揺さぶり、学校側の壁が崩れ始めた…気がつけば、走り出していた。不安と圧力の中、教師を敵に回して―他校から名乗りを上げた弁護人。その手捌きに僕たちは戦慄した。彼は史上最強の中学生か、それともダビデ使徒か―。開廷の迫る中で浮上した第三の影、そしてまたしても犠牲者が…僕たちはこの裁判を守れるのか!? (裏表紙引用)

 


さてさて、大きな山場を迎える前の第二部。(ネタバレってほどではないと思いますが物語の筋に触れています、未読の方はお気をつけください)

 

現実ならば起訴されない疑い。大出俊次は果たして柏木卓也を殺したのか、三宅樹理の告発状は真実だったのか?生徒の中から判事、廷吏、検事、弁護人、その助手、証人を選定し学校内裁判をやることになった涼子たち。大出の元カノ、なんか邪魔だなあ・・・。涼子らもそこを懸念しているけれど、被疑者に特定の感情を持っている人物が入るのってどうなんだろう。証人ならともかく。

 

でもやはりこの第二部では、新たな登場人物、神原くんがキーマン。他校の生徒で中学生とは思えないほど優秀な頭脳を持ち、重い境遇を背負う少年。好感度としては低くはないけれど、この子絶対何かあるよね?果たしてどちら側の人間なのか、それとも思いもよらない所で関わっているのか。

 

個人的な見解だけども、ここまで読んだ読者の感触としては、大出俊次は柏木くんを殺してないし、三宅樹理の告発状はやっぱり嘘じゃないかと確信出来るレベルなんだけども。裁判の目的が「真実を知る」だからいいのだけど、なかなかこの段階で合理的、客観的に事件を見るのは難しかったな。あと森谷先生を殴った女、まだ出てきたりして?

 

タイトルが気になるなあ。誰がソロモン?誰かが物凄いウソをついてるのかなあ。

 

というわけで第三部に突入!しています。