すべてが猫になる

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神去なあなあ日常  (ねこ3.7匹)

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三浦しをん著。徳間文庫。

 

平野勇気、18歳。高校を出たらフリーターで食っていこうと思っていた。でも、なぜだか三重県林業の現場に放りこまれてしまい――。携帯も通じない山奥!ダニやヒルの襲来!勇気は無事、一人前になれるのか……?四季のうつくしい神去村で、勇気と個性的な村人たちが繰り広げる騒動記!林業エンタテインメント小説の傑作。

 


林業、おもしろ~~~!

 

…っていうのが率直な感想。自分がやることは一生ないだろうし今まで興味があったかっていうとなかったんだけど(それが普通)、しをんさんの作品で林業に少し触れられた気になった。何よりキャラクターがいいので取っ付くにくい題材でも入り込みやすい。主人公が林業のりの字も知らないフリーター志望の若者だったのが良かったんだと思う。読者と同じ視点で読めるから。しかもこの小説が勇気の自叙伝?形式になっているから親しみやすいね。

 

自分としては、あまりお祭り(お神輿とか)っていうのが好きではなくて(非国民?^^;)、田舎のよそもんお断り根性みたいなのも割と抵抗があったのだけど。まあ、読む分には他人事だから「ぷぷぷ、巻き込まれてやんの」という感じで。馴染んでいく勇気も面白いけど、筋肉バカのヨキとか元気でかわいい山太とか(サンタ?^^;)勇気お気に入りの直紀さんとか、ほんとにこんな人いるといいなあって感じのリアルさだった。直紀さんと勇気って、でもあまり似合わない気がする。ごめん勇気。特に好きだったのが近所の巌さんと、○にかけの繁ばあちゃん(笑)。ほんとに予言のあと死ぬしきたりなのかと思った…。

 

お仕事小説としては有川さんや坂木さんみたいな派手な展開や葛藤、目に見えるハッキリとした成長はないかもしれないけど、なあなあで読む分にはピッタリかな。続編もあるみたいね~。