すべてが猫になる

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ツンドラモンスーン  (ねこ4匹)

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森博嗣著。講談社文庫。

 

なんの脈絡もなく書いているシリーズの四冊めである。著者はあの森博嗣だ―。好みのデザートから安全保障、ミステリィのトリックまで、巫山戯たような表現の中に潜んでいるまったく新たな世界観&考え方。「小説を書くほうがずっと簡単」と断言するほど練りあげられた、目からウロコのエッセィ全一〇〇個。(裏表紙引用)

 

 

クリームシリーズ第4弾。なぜ急に全部カタカナになった?

 

森さんの著作は250作以上あり、1冊も絶版になっていないという。ドカンとベストセラーになるわけじゃないが、地道にデビュー作からずっと、今でも売れ続けているらしい。エッセイは小説ほど売れないらしいが、森さんの小説のファンならこのシリーズもぜひオススメしたい。1つ1つの考え方にハッと目覚めさせるものや自分を代弁してくれているようなものがきっと誰にでもある。なんなら1つ2つでなく、10や20ほどもある。全てに同意するわけじゃないし、森さんとて風刺のつもりで書いているわけではない。しかし日常の全てをこんなふうに考えられたらさぞや生き易いだろうなと思う。

 

シリーズではだんだん面白くなるようにしているとサラっと仰っているが、そもそもそれが出来るのが凄い(ファンには常識だがデビュー作の「すべてがFになる」は4作目である。)。ノベルスがなくなればいいのにと私も思う。ネット社会の危うさを道端の花を眺める行為と比較するくだりやものを捨てろという洗脳についての考え方が私のお気に入り。森さんのエッセイは一部だけ引用すると誤解を受けるけども。個人的には小説よりこちらが多くの人に読まれて欲しい。