すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

何が困るかって  (ねこ3.7匹)

イメージ 1

 

小説でしか表現できない〈奇妙な味〉が横溢した、短いけど忘れがたい、不思議なお話を読んでみませんか?――子供じみた嫉妬から仕掛けられた「いじわるゲーム」の行方。夜更けの酒場で披露される「怖い話」の意外な結末。「鍵のかからない部屋」から出たくてたまらない“私”の物語――ほか、日常と非日常のあわいに見える19の情景を様々な筆致で描きだす。『青空の卵』や『和菓子のアン』の名手による、珠玉のショートストーリー集。(裏表紙引用)

 


坂木さんのショートショート集。ささささと読めるので旅行中の電車の中で読み終わってしまった。前回読んだ、ショートショート集の「短劇」はあまり良いとは思えなくて、坂木さん、ショートショートは合わないんじゃないかなあとか感じていた。けど、この作品集は好みに差はあれど安定していてなかなか良かったと思う。

 

ジャンルとしてはイヤミス風だったりほのぼの系だったりブラックだったりと様々。やはり自分はブラック系が好きかな?居合わせた全員がそこにいる誰かに悪意を抱いている「カフェの風景」や、ヘイト発言にはまる人ってこうなんだろうな、とリアルに思わせる「ライブ感」が特に良かった。ああいう人たちって実際騒ぎたいイキりたいだけで強い信念や主張なんてなさそう。

 

「キグルミ星人」のオチは意味が分からなかったな。誰か教えて。

 

坂木さんの作品はほのぼのしているイメージが先行していると思うけど、私はこういうちょっとチクリと刺すような作品こそ坂木さんの一面だと思う。変に薄いホラーやるよりずっと好き。