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謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー  (ねこ3.7匹)

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文芸第三出版部編。講談社タイガ

 

「館」の謎は終わらない――。館に魅せられた作家たちが書き下ろす、色とりどりのミステリの未来!
奇怪な館、発生する殺人、生まれいづる謎、変幻自在のロジック――!
読めば鳥肌間違いなし。謎は、ここにある。新本格30周年記念アンソロジー第三弾。(裏表紙引用)

 


はやみねかおる『思い出の館のショウシツ』
本の舞台を作りその世界を体験してもらう会社で働く美月。幼少の頃体験した不思議な館の謎を紐解く。
ミステリ的には緩めだけど、はやみねさんらしい教訓もあり自作との遊び心もあり。


恩田 陸『麦の海に浮かぶ檻』
鼎と要は、学校でたった2人だけの班に所属していた。そこへ魅惑的だが接触恐怖症だという少女が転校してきて2人の関係は変わってゆく。自作のパロディかな?学校内でお茶に毒を盛られるかもしれないというのが神秘的な雰囲気でいいな。ファンタジーかと思ったら驚きの真相があった。続き読みたくなる。


高田崇史QED~ortus~ ―鬼神の社―』
藤沢鬼王神社巫女が本殿で鬼を目撃し失神する事件が起きた。タタルと奈々ちゃんのシリーズだね。神徳の話などなどの薀蓄が面白かった!


綾崎 隼『時の館のエトワール』
初読みだけど、人気作家さんのようで。うん、結構文体は好みだった。時の館に入ると時間が戻るというよくある設定に、イマドキのキャラクターが馴染んでいて良かったかな。ラスト1行はあんまりだったけど。


白井智之『首無館の殺人』
また初読み作家さん。超絶グロいしおふざけが凄いが、平山さんファンなら受け入れられそう。二番煎じ感はあまりなかったし光るものがあるかも。


井上真偽『囚人館の惨劇』
バス落下事故の生存者たちがたどり着いた館。生存者たちの1人である男子中学生の惨殺死体が発見される。探偵あまり重要じゃなかった。。兄妹愛が良いね。あんま井上さんって感じはしなかったのだけど、最後の種明かしを読むとやはり発想の豊かさが際立ってる。


以上~。
完全井上さん目当てで読んだんだけど、どれも良い作品だったと思う。ミステリ的に凄いもの、小説として面白いものにハッキリ分かれていたけど。好きなのは井上さん、恩田さん、高田さん、白井さん、綾崎さん、あ、全部か^^;白も買ってあるんだけど、相当レベル高くないと黒を超えられるかどうか。青崎さんがいるから大丈夫かな。