すべてが猫になる

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ハケンアニメ!  (ねこ3.8匹)

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辻村深月著。マガジンハウス文庫。

 

1クールごとに組む相手を変え、新タイトルに挑むアニメ制作の現場は、新たな季節を迎えた。伝説の天才アニメ監督・王子千晴を口説いたプロデューサー・有科香屋子は、早くも面倒を抱えている。同クールには気鋭の監督・斎藤瞳と敏腕プロデューサー・行城理が手掛ける話題作もオンエアされる。ファンの心を掴むのはどの作品か。声優、アニメーターから物語の舞台まで巻き込んで、熱いドラマが舞台裏でも繰り広げられる―。(裏表紙引用)

 


随分分厚い本だな~アニメ興味ないしな~~と思って手に取ったが、さすが辻村作品ということでなかなか面白かった。実はわたくし、ジブリを含む日本のアニメ大の苦手でどんだけヒットしてもスルー。(キン肉マンとかドラゴンボールとかは普通にいける)

 

そういうわけで、まあ「そのへん」を題材にした物語なわけで初めはやっぱり抵抗感が強かった。アニメそのものが原因じゃないかもしれないなーと読みながら思ったのは、出てくる女性アニメ監督や女性原画マンがことごとく苦手なタイプだったから。誰しもがうらやむ才能を持ちながら、リア充にコンプレックスを持つ理由がわからない。人を見下す気持ちってやっぱり嫉妬から生まれてるんだなあ。才能の原動力ってそこなのかもしれないけど。オタクから直木賞作家になってご結婚もされて、オタクとリア充の両方を経験された辻村さんのそういう「わかってる感」が詰まっていて、やっぱ辻村さんには敵わないなあと思った。でも、和奈はさすがに「元々の顔がいい」からこそなんじゃないかと思ってしまった自分は意地悪かな。