すべてが猫になる

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サイタ×サイタ  (ねこ3.5匹)

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森博嗣著。講談社文庫。

 

匿名の依頼を受け、ある男の尾行を始めたSYアート&リサーチの小川と真鍋。男は毎日何時間も映画館を見張っていた。単調な仕事かと思われた頃、ニュースを騒がせている連続爆発事件にアルバイトの永田が遭遇。そして殺人事件が―。依頼人は誰か、目的は。爆弾魔との関係は。緊張感に痺れるXシリーズ第五弾! (裏表紙引用)

 

 

Xシリーズ第5弾。(これバツシリーズじゃなくてエックスシリーズなのね。今さらだけど)

 

今回扱うのは連続爆弾事件だが、メインは小川さんが匿名のメールにて依頼された尾行の様子。アルバイトの永田さん、探偵鷹知、芸大生真鍋が一体となって、あるカラオケ店員の女性をストーカーしている男・佐會利の行動を見張る。続いて起きた殺人事件と爆弾事件は佐會利の仕業なのか?

 

と、普通のミステリぽい謎が提示され普通に推理し普通に犯人が捕まる。森作品らしく、爆弾事件は大きく扱っていない上に小説としてはほとんど小川さんたちの会話で物語が進んでしまう。ちょっとそのへん退屈かも?やりとりは楽しいが人間関係の進展はないし。犯人に動機があったのが驚き。現実の殺人事件に正解はない、動機も本音かどうかわからないという考察はそのまんま森ミステリィのスタンスなのかなあと思ってちょっとニヤリ。