すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

米澤穂信と古典部  (ねこ4匹)

イメージ 1

 

新作短編も収録!人気作家とともに歩んだ〈古典部〉のすべてがここに!

ある日、大日向が地学講義室に持ち込んだのは、鏑矢中学校で配られていた「読書感想の例文」という冊子。盛り上がる一同に、奉太郎は気が気でない――。
書き下ろし新作短編「虎と蟹、あるいは折木奉太郎の殺人」の他、古典部メンバー四人の本棚、著者の仕事場や執筆資料も初公開!
『氷菓』以来、米澤穂信と一五年間ともに歩み、進化を続けている〈古典部〉シリーズについて「広く深く」網羅した必読の一冊。(紹介文引用)

 

 

出たばかりでもう重版決定だそうだ。人気の<古典部>シリーズが生まれて15年間の歩みが、古典部シリーズの新作、作家との対談、全解説、隠れネタ公開などのファン必読の内容で収録。米澤さんが想像で作る古典部メンバー4人の「本棚」や、お仕事場拝見など遊び心にも満ちていて楽しめること請け合い。

 

新作はホータローが過去に描いた「山月記」&「猿蟹合戦」の読書感想文を大勢で読み上げるという内容。ホータローらしいひねくれた洞察力が遺憾無く発揮されていてニヤリ。揚げ足取りではないかという周りの指摘から、千反田えるが思わぬ真実を導き出す。ストーリー性はないが、古典部シリーズファン向きではあると思う。

 

米澤さんの作品へのこだわりや物語を生み出すことへの意義など、目からウロコな言葉がたくさんで、これは自分の役に立つ本だったなと思う。紹介される多くの作品はほぼ既読であったが、知らない作品はチェックさせてもらった。世代的に、自分よりも少し下なのだなと実感する。感銘を受けた作品は同じだったが。米澤さんが樋口有介を愛読してらっしゃるのは知らなかった。言われてみれば共通点あるなあと。これからの自分のミステリの読み方や解釈の仕方を考え直したくなる良書でありました。