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邂逅 シドニー州都警察殺人捜査課/Hades  (ねこ2.8匹)

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キャンディス・フォックス著。冨田ひろみ訳。創元推理文庫

 

シドニーのマリーナで、海底に沈められたスチール製の収納ボックスが発見された。1メートル四方の箱には全身傷だらけの少女の遺体が収められ、周囲から同様の遺体の入ったボックスが20も見つかった。シドニー州都警察殺人捜査課に異動してきた刑事フランクは、女性刑事エデンと未曾有の死体遺棄事件を追う。オーストラリア推理作家協会賞2年連続受賞の警察小説シリーズ開幕! (裏表紙引用)

 


初読みの作家さん。しまった評判見てから読めば良かった。。。珍しいオーストラリアミステリということで、表紙もタイトルもカッコイイしと軽い気持ちで手を出してしまったが。。これは思っていたのと全く違ったなあ。

 

今流行りの個性的なバディもの+猟奇系であることは間違いないのだが、これは猟奇事件そのものがメインではなかった。語り手フランクの新相棒であるエデンと兄のエリックが幼い頃両親を犯罪集団に殺されてその後謎の「ハデス」と呼ばれる男に育てられるという設定が結構キワどい。そんな生い立ちだから警察官だからといってまともに育ったはずもなく、事件と絡んで狂気的な展開が待ち受けているのだが・・・それほどの意外性もないかな。

 

語り手のフランクに魅力が全くないのもイタイ。重たい過去がある主人公やクセのある語り手というのは基本設定ですらあるジャンルだが、それはどんなに嫌な性格でも根っこにあるのは正義感だったり優しさだったりするから魅力があるわけで。。。フランクにはそういった芯みたいなものがない。順番で行ったらフランクの次にエデン、エリックよりもハデスって感じだったなあ。

 

う~ん、訳文も読みにくいし。。次はないかな。