すべてが猫になる

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さよならの手口  (ねこ3.9匹)

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若竹七海著。文春文庫。

 

探偵を休業し、ミステリ専門店でバイト中の葉村晶は、古本引取りの際に白骨死体を発見して負傷。入院した病院で同室の元女優の芦原吹雪から、二十年前に家出した娘の安否についての調査を依頼される。かつて娘の行方を捜した探偵は失踪していた―。有能だが不運な女探偵・葉村晶が文庫書下ろしで帰ってきた! (裏表紙引用)

 

 

葉村晶シリーズ第4弾。かなり久しぶりにこのシリーズを読むのだけど、どうしてそうなったのかちょっと納得した。前作から10年経って上梓されたらしい。しかも文庫書き下ろしで。当時30代だった晶さんも、ちゃんと物語の中で時間は経過していて40代になっている。常に自分と共に育まれているシリーズなのだ。ゆえに晶さんはスマホも持っているし現代を生きているので読みやすいね。時代には逆らえないみたい。

 

開始20ページ早々で失神、骨折、白骨に頭突きで大出血大入院の大怪我をする晶さん(笑)。笑い事ではないが...遺品整理で古書を探していてここまでの大事故に遭う晶さん、さすが変わってない。ボロボロになりながら探偵をするわけだが、現在の晶さんは探偵を廃業しており、知人の調査所を通じて動くことに。シェアハウスに住んでいるわアルバイト先の本屋も登場するわ大勢の刑事と知り合うわで登場人物の多さハンパない^^;結構時間がかかってしまった。葉村シリーズはしっかり把握して読みたいので。

 

次々と事件が起こるシリーズではないのだが、新しい友人・倉嶋をシェアハウスに紹介したらややこしい事態に巻き込まれたり、晶さん自身の探偵としてのアイデンティティが崩壊しそうな展開が待っていたり、メインストーリーである女優の娘探しは難航するしとにかく内容が濃い。オープニングで関わった事件も女装が絡んでいたりと、とにかくエピソードの一つ一つに無駄がないのだ。

 

早く続きを読まなければ。熱上がってきた!