すべてが猫になる

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シャドウ・ストーカー/XО  (ねこ4.2匹)

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キャサリン・ダンスの友人で人気歌手、ケイリーはストーカーに悩まされていた。メールアドレスを変えても頻々とメールを送りつける男エドウィン。彼が数日後のコンサートに現れるという。ダンスが事態の対応に乗り出した矢先、ケイリーの側近が殺害された…。いかなる嘘も見抜く“人間嘘発見器”キャサリン・ダンス第3作! (裏表紙引用)

 


ジェフリー・ディーヴァーの人気シリーズ、「リンカーン・ライム」からのスピンオフシリーズ「キャサリン・ダンス」もの第3弾。コッチのシリーズは当然ながらメインシリーズほどの愛着はないのだけど、3作の中では1番面白かったかな。

 

今回のヒロインはキャサリン・ダンスの友人でもあるシンガーソングライターのケイリー・タウン。ファンの男からの執拗なメールに頭を悩まされ、遂には実被害まで出てしまったケイリーはダンスにその悩みを打ち明ける。地元捜査官からは疎ましく思われながらも、ダンスは捜査を進めるが・・・というお話。ダンスが歌手だったって既出??ビックリ。

 

特徴としては、ヒロインがカントリー歌手なので音楽業界のネタが多い。私はカントリーは聴かないが、この業界には興味があるので楽しめた。そうではない人にはキツいかもしれない。まあ、メインシリーズとの大きな違いはダンス以外のキャラクターの存在が薄いってところだろうか。ライムものならパートナーのサックスはじめ介護士のトムや刑事のロンなどなど魅力あるキャラクター目白押しなのだが、それに比べるとコチラにいるマイケル・オニールやオーヴァービーじゃちょっと物足りない。

 

その証拠に、と言っちゃナンだが中盤からライムチームが登場し、メインシリーズばりの活躍を見せるっていう(笑)。ダンスのキネシクスもいまいちだったし、結局盛り上がったのはソコだったし進展したのもライムのおかげだった。歌詞を調べて欲しいってところも、ライムものならすぐ調べてるのになあってじれったい。まあ、そうでないとシリーズを分けた意味はないのかもしれないが。ところでライムが右手を動かせるようになっていることにビックリ。私が忘れてるだけ??時系列調べたけど「バーニング・ワイヤー」の後にコレで合ってるっぽいんだよなあ。

 

まあしかし、どんでん返しに次ぐどんでん返しはしつこいくらいに楽しめる。ディーヴァーの作品に慣れてしまうと、残りのページ数で「これが真相じゃない」って分かってしまうのがいいのか悪いのか(笑)。

 

ところで、読んでいるとケイリー・タウンって実在しているのかと錯覚してしまう。ケイリー・タウンのアルバムの全歌詞が最後に掲載されているんだけど、実際はディーヴァーの作詞だそうな。録音もしているとかで驚き。