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消える上海レディ  (ねこ3匹)

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業界一の化粧品メーカーが打ちだした来年のテーマは、“戦前で時間が停まったような街”上海。キャンペーンガールも、つば広の帽子に中国服、当時そのままの上海レディだ。取材で神戸―上海を結ぶ鑑真号に乗ることになった女性誌記者弓芙子。だが、出港前から彼女の命を執拗につけ狙う謎の女が現われる。そしてついに密室と化した船内で血の兇行が。(裏表紙引用)

 


島田さんのノンシリーズ・・・かと思いきや、「消える水晶特急」の続編らしい。へえ…(←覚えていない)。登場人物が同じとかそういうことだと思うが。

 

内容はまさに2時間サスペンスの王道という感じ。ヒロインの記者・弓芙子が目撃した「上海レディ」が、なぜか弓芙子をつけ回し、ビルの上からレンガを落としてくるなどの凶行を重ねる。会社のキャンペーンガールである上海レディになぜ自分が?女の正体は?というお話。取材で上海へ向かう船に乗り込む弓芙子だが、そこでも執拗に女は弓芙子の命を狙う。。。

 

上海が舞台と思いきや、お話はほぼ日本と船の上で進行する。知り合った謎の青年と不気味な母親、弓芙子に同行するカメラマンの国田など、様々な人物が容疑者として弓芙子を翻弄するのが面白い。謎が大きいのはさすが島田さんと言ったところで、飽きることなく読める。わざわざ一人で行動して犯人から狙われやすくなったり、時代が時代なので、弓芙子の正装が「テーラードカラーの紫のジャケットにサテン地のパンツ、シャツは濃い紫」など苦笑する一面も多いが^^;

 

しかし、真相は駆け足すぎてグダグダ。弓芙子は何の推理もしていないし、荒唐無稽な真相過ぎて開いた口がふさがらない。。。途中まで良かったのにー。もうちょっと描きようがあったと思うのになあ。荒唐無稽通り越して破綻している。。。取ってつけたような哀愁あるラストシーンがもったいなくて仕方がない。題材が題材だけにもう少し掘り下げて欲しかった。