すべてが猫になる

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悪魔は夜はばたく/The Vision (ねこ3.7匹)

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ディーン・R・クーンツ著。平井イサク訳。創元推理文庫

 

「メアリー・バーゲンか……」霊能者メアリーに追いつめられた連続殺人犯が、いま警官に射殺された。だが、男はなぜ彼女の名を呼んだのか? それは新たな大量殺人の前兆だった。捜査を続けるメアリーの胸に、彼女自身の心の闇が蘇る! ベストセラー作家の原点となった傑作ホラー。これを読まなければクーンツは語れない!(裏表紙引用)

 

 

”R”のころのクーンツを1冊。ノリにノっていたころの作品なのだろうか?隅から隅までクーンツ色満開のサイコホラーだった。ヒロインが透視能力(予知も)を持っているということでサイキックものとも言えるかな。

 

ヒロインのメアリーは幼少のころに辛い経験をしていて、途中からこの透視能力が呼び覚まされた。結婚したばかりの優しい夫・マックスと、頼れる兄・アランに守られながら殺人鬼に立ち向かう。この殺人鬼は冒頭で警察に追い詰められ死亡する。だが、その後もメアリーの目には次の、また次の殺人が見えてしまい…というお話。

 

クーンツだから言うが、まあぶっちゃけ、マックスかアランのどっちかだよね…?(笑)。と思いながら、分かっている先の展開にダラダラと付き合う。筋立てはやはりシンプルなものの、ポルターガイストの派手さは見ものだし、事の真相やメアリーの過去は思っていたよりだいぶキツい。映像化されてるのかな?
クライマックスはなかなかの迫力。殺人鬼の正体はまさに悪魔だし、クーンツ作品ではまあいいほうかな。コウモリ嫌いになりそう。