いたるところから恐怖は我々を狙っている。殺人と処刑の場面を再現した蝋人形館での一夜、屋敷を取り囲む血に飢えた暴徒の群れ、手術台の上の惨劇、抉り取られた眼球、妻に裏切られた男の恐るべき復讐…20世紀初頭のパリで絶大な人気を博した恐怖演劇グラン・ギニョル座の劇作家ロルドが血と悪夢で紡ぎあげた22篇の悲鳴で終わる物語。甘美な戦慄と残虐への郷愁に満ちた“恐怖劇場”開幕。(裏表紙引用)
グラン・ギニョール座の劇作家ロルドの恐怖物語を集めた作品集ということで。実は全然知らないのだがなんとなく面白そうかなと思って読んでみた。ちくま文庫買ったの初めてだドキドキ。
収録作
精神病院の犯罪
蠟人形
デスマスク
ヒステリー患者
高名なるトリュシャール教授
無言の苦しみ
究極の責め苦
地獄
生きている木
ベリギーシ
死児
もうひとつの復讐
死にゆく女
夜明け
助産婦マダム・デュボワ
事故
強迫観念
恐怖の実験
恐ろしき復讐
告白
無罪になった女
大いなる謎
蠟人形
デスマスク
ヒステリー患者
高名なるトリュシャール教授
無言の苦しみ
究極の責め苦
地獄
生きている木
ベリギーシ
死児
もうひとつの復讐
死にゆく女
夜明け
助産婦マダム・デュボワ
事故
強迫観念
恐怖の実験
恐ろしき復讐
告白
無罪になった女
大いなる謎
基本的には精神病者をネタにしたものや、復讐ものが大半。自業自得の罰を受けるものも多々。差別的表現は原作を尊重し緩められてはいない。意味すら分からないものも。時代の雰囲気を感じられたり文学表現として楽しむ分には良いのだが、それが恐怖に結びつく感性は現代でもそれほど変わっていないのかもなと感じる。先が読めるものが多いため、展開に期待するというよりは単にその人物の行く末を見守るという読み方をした方がいいかもしれない。こういう話読んだことあるなあというものもいくつかあるし。
好きなのは「精神病院の犯罪」「地獄」「恐怖の実験」。