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特捜部Q ーカルテ番号64ー/Journal 64 (ねこ4.2匹)

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ユッシ・エーズラ・オールスン著。吉田薫訳。ハヤカワ文庫。

 

未解決だった難事件を次々と解決、やっと日の目を見つつある特捜部Q。だが捜査を待つ事件は増えるばかりだ。そんななか、特捜部の紅一点ローセが掘り起こしてきたのは、20年以上前にエスコート・クラブの経営者リタが忽然と姿を消した奇妙な事件。しかもリタとほぼ同時に失踪した者が、他にも5人いることが判明し…。デンマークの代表的文学賞「金の月桂樹」賞を受賞、ますます波に乗る大人気警察小説シリーズ第4弾! (裏表紙引用)

 

 

ますます快調、大人気デンマーク産警察小説第4弾~。こんなに面白いのに広まらない(´;ω;`)。

 

今回は話の重さ以上に勝る内容盛りだくさんの回となっている・・・!まずはカールの離婚危機に新恋人モーナとの喧嘩、カールの従兄ロニーと過去体験した悲しい事件が復活&カールに疑いが!そしてローセの家庭事情がほぼ明らかに!!アサドは特捜部に住んでいる疑惑&一体お前は何者だ、な活躍を見せるしカールを今の現状にした銃撃事件に新たな風が、でもまたしてもカールが疑われて・・・!そしてアサドが持ち込んだインフルエンザが警察中に蔓延し、カール含むほぼ全員やたらトイレに駆け込むシーンが多い(笑)。もう何がどうなるやら分からない状態。

 

それに絡めて、今回の未解決事件である「女子収容所」、強制不妊などというこの人権を無視した恐ろしい施設の犠牲になったニーデの人生が少しずつ少しずつ明らかになって行く。犯人は誰か、動機は何かも分かっている状態。要は復讐劇なのだけど、まあ人生をこれだけの人に狂わせられたらまともではいられないわな。最善の方法とは思えないけれど、「明確なる一線」とかいうおバカな党のリーダーであるクアト・ヴァズはとりあえず地獄に落ちていいと思った。人間の生き死にや価値をこんな奴に決められたくはない。しかし、この収容所が実在していたという事実にビックリ。デンマークという国の澱みを知った気分。つくづく、教育というものの大切さを実感した次第。

 

最後はシリーズらしくちょっとした驚きの真相もあり。相当病んでるよね、このシリーズ。でも新しい仲間バンザイ( *´ω`* )/、そしてアサドの今後を心配しつつ、続きを心待ちにしましょう。

 

それにしても、ロニーは一体なんだったんだ???