すべてが猫になる

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ホリデー・イン  (ねこ3.8匹)

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「初めまして、お父さん」。
 元ヤンでホストの沖田大和の生活が、しっかり者の小学生・進の登場で一変! 思いもよらず突然現れた息子と暮らすことになった大和は、宅配便会社「ハニー・ビー・エクスプレス」のドライバーに転身するが……荷物の世界も親子の世界も謎とトラブルの連続。宅急便会社の仲間や、ホストクラブの経営者で女装のジャスミン、ナンバーワンホストの雪夜らをも巻き込んでの大騒動を描いた『ワーキング・ホリデー』が刊行されたのは2007年。2012年にはその後の大和と進の物語を書いた『ウィンター・ホリデー』が、同年には『ワーキング・ホリデー』が映画化され、人気となっている「ホリデー」シリーズから誕生した、初のスピンアウト短編集が本作『ホリデー・イン』である。(紹介文引用)

 


あの「ワーキング・ホリデー」シリーズのスピンアウト作品集と聞けば読まずにはいられない。6作収録されたこの短編集には、ホリデーシリーズの愛すべき脇役たちがそれぞれ語り手となり、ヤマトと出会うまでの前日譚、または後日談となって登場し活躍する物語が詰まっている。

 

ジャスミンの部屋」
ジャスミンは個人的に好きなんだけど、オッサンを拾うこのお話はちょっと^^;オッサンがジャスミンに最後○○したシーンで完全に私アウトです。きもいです。。。

 

「大東の彼女」
「ウインター・ホリデー」で登場した新人くんだったかな?ヘラヘラとチャラい大東くんにこんな事情があったとはね。でもこういう苦労は買ってまでいらないポリシーって、こういう経験をしているからこそ言えるんだと思うんだけどな。

 

「雪夜の朝」
すいません、この雪夜さんって記憶にないんだけど重要なキャラだっけ?少なくともここではあんま好きじゃなかったな。中二病みたいで。あのムカつくお客さんに言われた「コドモみたい」って当たってると思うんだけど。。。激辛料理食べきったからってそれがどうしたのって感じ。

 

「ナナの好きなくちびる」
あまり元々好きではないキャラクター同士の(キライでもないよ)お話。ナナの過去の友人との関係が語られる。この友達のマキちゃん、かなりおかしいな。まあこの年代ならこういう子もいるんだろうけども。

 

「前へ、進」
やっと個人的にテンション上がりました。進がヤマトに会いにいくまでのお話。本当に色々なこと考えて考えて会いに行ったのね(ホロリ)。。。でもヤマトがあんな奴で^^;かわりに私が謝っておきたい。

 

ジャスミンの残像」
私が思う、これは坂木さんの傑作。ヤマトがクラブ・ジャスミンに入るに至った経緯が描かれている。想像通りのドタバタで面白い。何より、ジャスミンの最後の捨て台詞に拍手だね。坂木さんに小説の神が降りた瞬間じゃないかな。


以上。彼らのいる世界っててこんな綺麗なマトモなところかねえ?って思うけど、ま、そこは坂木ワールドということで。まあ本編以上に低年齢向け感が強いが、ファンなら必読。