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修道院の第二の殺人/Enter Second Murderer (ねこ3.7匹)

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アランナ・ナイト著。法村里絵訳。創元推理文庫

 

煙ただよう古都、ヴィクトリア朝エジンバラ。パトリック・ハイムズは修道院で働く妻と、そこの学校の教師だった女性を殺した罪で絞首刑に処された。しかし、彼は妻の殺害は認めたが、第二の殺人は頑として否認したまま死んだのだった。彼の最後の訴えを聞いたファロ警部補は、新米医師である義理の息子のヴィンスと再捜査を始める。歴史ミステリの大家が贈る、軽快な犯人捜し。(裏表紙引用)

 


初読みアランナ・ナイトのファロ警部補シリーズ第一弾。1988年の作品だそう。40作ほど出しているというのでなかなかの人気作家らしい。内容は、歴史ミステリ、ヴィクトリア朝情緒漂う、みたいなものを期待したらちょっと「アレレ?」と思うかもしれない。児童書??と一瞬思ってしまうくらい読みやすい。シェークスピアに通じている人はもっと楽しめるかも。

 

読みやすいのは文章スカスカということよりは、まあキャラクターやドラマの魅力もあるのだろう。生まれに事情のあるファロの息子・ヴィンスは医者だがなかなか繊細な性格。継父であるファロとは色々思うところあるだろうがなんだかんだ仲良しで愛情を感じる。しかしなんといってもこの物語を盛り上げているのはファロの恋物語だという(笑)。。。ここをどう思うかで、好き嫌いは違って来るのではないかな。

 

ちなみにミステリ的にはそれほど語るところなし。既に処刑されてしまっている男が、二番目の殺人は自分じゃないと言い残したというお話。犯人は意外だったが、個人的にはショックだったなー。このファロの経験が今後どう機能するのだろう?と思いながら、機会があれば続けて読んでみようかと。