すべてが猫になる

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Another エピソードS  (ねこ3.8匹)

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1998年、夏休み―両親とともに海辺の別荘へやってきた見崎鳴、15歳。そこで出会ったのは、かつて鳴と同じ夜見山北中学の三年三組で不可思議な「現象」を経験した青年・賢木晃也の幽霊、だった。謎めいた古い屋敷を舞台に―死の前後の記憶を失い、消えたみずからの死体を探しつづけている幽霊と鳴の、奇妙な秘密の冒険が始まるのだが…。(紹介文引用)

 

 

新刊じゃないわよ^^;読んでなかっただけ。ご存知「ANOTHER」のスピンオフ的作品。義眼の少女・見崎鳴は語り手として登場するものの、本編のキャラクターはほとんど出ていない。

 

鳴が語る、死んだ男賢木から聞かされた物語。なぜ自分は死んだのか、死体はどこへ行ったのか。普通のミステリのように、賢木の姿が見える鳴が真相を解き明かすとかそういう体裁じゃなく、淡々とした語り口で静かに不気味に謎が明らかになっていく。鳴との会話が雰囲気を引き立てていて綾辻さんらしい。最後の驚きの真相もこれまた綾辻さんの本領発揮という感じだが、館シリーズのような本格的なものではない。とにかく雰囲気重視なので、こっち寄りの綾辻作品が好きな人には問題なさそう。本編を読んでいなくても理解出来そうだし。