すべてが猫になる

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来訪者/Switch Bitch (ねこ4.2匹)

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ロアルド・ダール著。永井淳訳。ハヤカワ文庫。

 

オズワルド叔父は、その巨万の富とたいへんな漁色癖で、昔から一族の伝説的存在だった。ある日、30年来絶えて音信のなかった叔父から、遺産と称して厖大な日記が送られてきた。そこには、それまで噂でしか知ることのなかった、国から国へ、女から女へと渡り歩いた叔父の優雅で刺激的な暮らしぶりの全貌が記さていたのだった…28巻におよぶ日記のなかから、叔父の絶筆となったシナイ砂漠での甘美で奇妙な一夜の体験を紹介する表題作、媚薬をめぐる顛末を描く「雌犬」など、短篇の名手が絶妙の筆ばさきで綴る愉しくも恐ろしい4つの艶笑譚。(裏表紙引用)

 

 

 

「来訪者」
旅人であり女好きであるオズワルド叔父の素晴らしい日記の中から寄りすぐって選ばれたある一日。シナイ砂漠を旅していた叔父は、女から逃げ出し、ガソリンスタンドに寄ったところ車を故障させ、この地に留まらざるを得ない状況となる。そこへ現れた資産家の招待を受け、城へ一泊させてもらうことになった。さらにその資産家には美しい妻と美しい娘がいて・・・。オズワルド叔父の好色ぶりに既に引いていたが、その夜に起こった営みのほうで目が点に。そ、そうか、こういう作風なのか。。オチの黒さよりも強烈な印象を残した女たちであった^^;

 

「すばらしきかな、スワッピング」
お互いの妻を交換し、一晩寝たい――。そういう企みから、二人の夫が巧妙に企てたスワッピング計画。(何を書かせるんだ。。。(;´д`))暗闇に目が慣れたらこんな計画台無しだとは思うがそこへ置いておいて。まあ、その、夫のやり方にそれだけ差があればこうなるでしょうな。ハハハ。(この話に他に何を言えというんだ。。。)

 

「やりのこした仕事」
愛する夫を事故で亡くし、三人の子ども達にも巣立たれ、カラッポになってしまった女。しかし友人のすすめで始めた仕事にやりがいを感じ、人生を取り戻すようになる。医者には、一番大事なのは性行為の相手を失ったことだと言われたが――。昔結ばれなかった相手同士というのは燃え上がるものだろうか。という普通の大人の恋愛ドラマかと思いきや、なんというオチ!!!残酷というのかもはやギャグなのか。。。こんなお話、読んだことない。。。趣味が悪いかもしれんが一番好きになった作品。

 

「雌犬」
またまた登場、オズワルド叔父の日記から(笑)。こちらは、性欲の高まる香水についてのお話。ちょっと先が読める感もあるのだが、その香水の効果がハチャメチャで面白すぎるので良しとする。


以上。
いやあ、全部エロにまつわるブラックストーリーだった( ̄▽ ̄;)「キス・キス」よりも異色風味が強い気がする。エロというテーマだけでこれだけ奇想天外なお話を作れるものかね。かなり私は好きだが、果たして万人に愛されるだろうか^^;