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雰囲気探偵 鬼鶫航  (ねこ3匹)

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「君は探偵のくせに、事件を解決する気がないのか!?」鬼鶫探偵社――そこに、見た目は完璧な名探偵がいる。だが経理の佐々は日々、悲痛な叫びをあげていた……。彼の雇い主である鬼鶫は、まったく推理をしないのだ!事件はいつも彼の推理を聴く間もなく解決してしまう。果たして、鬼鶫が謎を解く日は来るのか? 鬼鶫が推理をしない理由とは? そして雰囲気探偵の真の実力とは!?(裏表紙引用)

 


「薬屋探偵」シリーズで人気の高里椎奈さんの新シリーズ。高里さんのものはそのシリーズ以外興味がなかったのだが、「ふ、雰囲気探偵!?ブッ( ̄;; ̄」とタイトル惚れ。ちなみに、「きのつぐみ わたる」と読みます。

 

で、感想はというと。元々文章の上手な方ではないのに難しい言葉を頻発するので相変わらず読みづらい。さらに、推理はしないけど格調高い服装に切れ長の目、姿勢は良く前時代的な雰囲気を身にまとう鬼鶫航のキャラクター、微妙( ̄◇ ̄;。薬屋のほうを知らなかったら魅力的に映ったかもしれないのだけれど、一応「見たままのことを述べて解決する」「依頼人の心に寄り添う」姿勢は深山木秋みたいだし、助手の佐々くんの鬼鶫への想い方はリベザルを思い起こさせる。同じ作家が描いているのだから雰囲気は似て当たり前かもしれないが、それなら私は薬屋のほうがいいんだよ。。。

 

マイナスポイントはここまでとして。思っていたほどいい加減な探偵ではなく、推理みたいな事はきちんと出来る。読者が慣れ始めた第三話で面白みある新キャラを登場させるなど、サービス精神も豊富だ。それぞれの事件のインパクトは少し弱いものの、探偵ものとしての水準はクリアしているのでは。

 

で、この雰囲気探偵さん、薬屋シリーズに登場しているらしい。記憶にないので調べたら、まだ私が手を付けていない「怪奇譚」のほうにスピンオフものとして使われているとかなんとか。これを読んだせいで頓挫していた薬屋ものへの想いが再燃してきたので続き仕入れてこよっと。このシリーズはこれはこれで読んで行こうかな。