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キュート&ニート  (ねこ3.6匹)

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黒田研二著。文春文庫。

 

 引きこもりのニート青年・白畠鋭一は、バツイチの姉・真矢のニューヨーク出張の間、幼稚園児の娘・リサの面倒を見ることに。幼稚園で起るさまざまな事件をリサに助けられて解決するうち、縮こまった鋭一の心も開かれていく。著者自身の幼稚園児送り迎え体験を元に描くハートウォーミング・ミステリー。(裏表紙引用)

 


うーん、ほっこり。
最近のくろけん作品は好みに合わないものが続いていたが、コレならなんとかなるのではないだろうか。なんと、主人公はニート。このニート(鋭一)が事件やら謎やらを解き明かすのではなく(もちろんね)、幼稚園児・リサちんが探偵役。このリサちんは鋭一の姉の娘で、つまりは姪っ子。ニューヨークに出張する間リサを預かってくれと言われ、お金につられて渋々引き受けた鋭一。しかし、幼稚園児の面倒を見るということを甘く見ていたようで、毎日が奮闘の日々。

 

と、いうお話。まあ、弟とは言えニートに5歳の娘を長期で預ける親がいるかいなとか色々不可解さはあるのだが、完全コメディだと理解すれば許容範囲。ニートと言っても鋭一は他人に対して攻撃的でもないし、インターネットにハマッているわけでもないのでそれほど嫌悪感はないキャラクターだった。姉がスパイだとかアニメに夢中でパンを焦がすとか、いちいちアホすぎるけど。それよりリサちんが可愛いね。鋭一よりしっかりしていて、食事を用意したり一人で新幹線に乗れたり(警察に通報されそうな気がするが^^;)とっても賢い。幼稚園で起こる小さな謎を、一人で解決できちゃうのだからさすが。

 

そして最後はホロリとくる意外なドラマが。ちょっとした感動も味わえて楽しく笑えるゆるミステリーとして純粋に楽しめた。まあ、ゆるすぎるけど。続編希望。