すべてが猫になる

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殺ルキャラ  (ねこ2.5匹)

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川上亮著。TO文庫。

 

河原で男の首が切り裂かれた。画面に向かって「1/48」と書かれたスケッチブックを胸に構えたのは、猫にも熊にもパンダにも見える着ぐるみだった。それは、ある地方都市で大人気の“ゆるキャラ”。動画投稿サイトに、その殺人映像がアップされるや否や、瞬く間に街中がパニックに陥る。さらに、第二、第三の殺人事件が繰り返され…。果たして、猟奇的な殺人を繰り返す“ゆるキャラ”の正体とは?現れては消えてゆく容疑者たち。最後の10ページを読む時、全ての予測が覆る戦慄のサスペンス。(裏表紙引用)

 

 

※暗黒記事です


別に悪口を言うためにイラスト表紙を選んで読んでいるわけじゃないのだが……(^^;)こうなるんだね、やっぱ。失礼だが、校正はきちんとされているんだろうか?「ほかの連中が手を笑いながら手を叩き」……???(-'-)他、脱字ありでてんそんダダ下がる。

 

しかも、登場人物が堂々の飲酒運転。「付きあえって。それが社会人としての礼儀!」

 

ハァ!?( ゚Д゚) 歓迎会で急性アルコール中毒!ってこうやって起こるんだね、なるほど。


まあ、それはそれとして。
現代の「ゆるキャラ」ブームを逆手に取ったミステリーということで斬新さはあった。「中の人」という表現をしたりね。文章は読みやすく、ぐいぐい読ませる力があると思う。探偵役というものは概ねどこか人格が他者より劣っているのが通例なので、この他人を批判ばかりしている鬱屈したフリーターの青年が主人公というのもまあ、現代的で悪くはないと思う。嫌いだけど。まあそれは、事件を調べていくうちに、だんだん前向きになり更生していく感があるからという理由があるけれど。学生時代の自主制作映画からヒントを得て、当時の仲間を1人1人疑い、調査し、可能性を潰していく流れはムリがないし、女優になった憧れの女性が仲間に入る経緯も自然体だ。

 

そんなこんなで普通に読む分には良かったのだけど、ラスト10ページの驚愕だの他人に結末を話さないでだの、大風呂敷広げすぎたなー。もうこういうオチは出尽くしているのではないかと思うが。最初の印象が悪かったから、見直していたのに色々ガッカリだ。