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スリーピング・ドール/The Sleeping Doll (ねこ4.2匹)

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他人をコントロールする天才、ダニエル・ペル。カルト集団を率いて一家を惨殺、終身刑を宣告されたその男が、大胆かつ緻密な計画で脱獄に成功した。彼を追うのは、いかなる嘘も見抜く尋問の名手、キャサリン・ダンス。大好評“リンカーン・ライム”シリーズからスピンアウト、二人の天才が熱い火花を散らす頭脳戦の幕が開く。 (上巻裏表紙引用)

 


あー面白かった!ひー面白かった!今自分が一番好きなシリーズ物、それがこのリンカーン・ライムシリーズ!でもって、この作品は前作「ウォッチメイカー」で初登場しその輝きを見せたキャサリン・ダンスを主人公に据えたスピンアウトもの第一だーん!(♪^^)ノスピンアウトということで、リンカーン・ライムものよりは若干落ちるんだろうな、「ソウルコレクター」もう文庫出てるし飛ばそうかな、とうっすらと頭をよぎったのだが読んで良かったー!落ちる、というより捜査方法がまるで違う(ライムは物的証拠、ダンスは尋問)上女性主人公なので若干地味かもしれないというぐらい。あ、あと、ロマンスが濃いめ。ライムシリーズ定番の、「上巻の最後でひとまず落ち着く」がないし、どんでん返しも1回転+小さく2回転ってところ。

 

でも序盤の犯人脱獄からのアクションはいきなり!?というぐらい派手に来るし、犯人視点の章との二重構成で追いかける者追われる者の駆け引きがたまらない。それだけだと中盤だれるかも?と思う間もなく、下巻からは犯人に洗脳された元カルト集団(女性3人)同士の諍いやら、過去の事件の唯一の遺族(スリーピング・ドール)の登場やら、新たに捜査に加わったカルト犯罪専門家やら、続々と新展開が待っているので休む暇はない。

 

つまり地味気味でもこれといった瑕疵はないのだ。多少どんくさいのや捜査のジャマになる上司がいるぐらいで。登場人物は多いが、それぞれがそれぞれの成長や変化、個性を魅せるのもたまらない。それはもう、しょうもない上司やダンスの家族に至るまで。ほんとに隅々まできちんと、人を描き分けているのでドラマがある。このドラマが見たいのよ~。ほとんどのキャラクターが、最初と最後で印象が変わったり正体が明らかになったり。おいおいこれじゃ感想書けないよまったく。

 

てなわけでとっても満足。あ、サックスとライムももちろんうっすら登場します。電話だけど。そりゃあ、本家のほうが好きだけども、ねえ。