すべてが猫になる

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彼女の倖せを祈れない  (ねこ3匹)

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ライターの銀次郎の同業者、青葉が殺された。青葉が特ダネを追っていたことを知った銀次郎はそのネタを探り始める。手がかりはカメラに写っていたボンデージ姿の女性。辿り着いた衝撃の真実―それは政界をも揺るがす、暴いてはいけない秘密だった。読後、背筋が痺れ、頭が真っ白になること確実。思わず息が止まる、驚愕のエンタメミステリ! (裏表紙引用)

 

 

「日本を揺るがす秘密!」って・・・(-_-)
フリーライター銀次郎シリーズ第3弾。あ~、も~、そろそろ私浦賀氏卒業かも。それか、このシリーズがダメなのかも。純菜シリーズに苦悶してたあの頃が懐かしい。とにかくもうイライラする!(笑)

 

このシリーズが変わっているなあと思う点はまず、主人公である銀次郎の身内や親近者が事件に巻き込まれるところ。第1弾は元奥さんだったし、第2弾は銀次郎の母が殺されるし、今回は銀次郎本人が大変な目に遭う&前作で重要な絡みを見せた同業者が殺されちゃったのだもの。映像化とか全く夢見てないな、浦賀氏。しかも、ネタは政治絡みであるのにお得意のエロネタ&オタクネタを織り交ぜてしまってる。主人公や登場人物の言動も、どうも作者とイコールっぽく読めてしまうのは私だけ?中二病っていうのかなこういうの。コンプレックスが透けて見える。以前はそういうところも好きだったのだけれど、こういうごく普通のサスペンスとは相容れないんだなあと思う。合うのは涙ぐましい人間ドラマなのに、浦賀作品とは無縁でしょ。

 

とは言え、ミステリーとしての仕掛けは驚愕に値したと思う。斬新さはないけれど。銀次郎と薫との主客交代という構成にしなければ、それなりに話題になったろうに。読ませる力も上がって手広くやれる才能も持ちながら、結局不器用なんだな。