すべてが猫になる

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ドライブ  (ねこ3匹)

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黒田研二著。TO文庫。


何者かに拉致された犬塚拓磨はワゴン車の中で目を覚ます。車内には互いに見知らぬ5人。放置されたタブレット型PCのモニターでは、仮面をつけた謎の人物<夢鵺>が語り出す。解放される条件は定められたルートを走行し、制限時間内に最終目的地へ辿り着くこと。脱出不可能な死のロング・ドライブはやがて、殺戮の渦へと加速してゆく。6人に秘められた意外な接点が明らかになる時、狂おしい情念が迸るノンストップ・ミステリー。(裏表紙引用)


TOブックスという出版社から出ている文庫らしい。初めて知った出版社名だが、作品一覧を見ると10代向けがメインなのかな、という印象。


まあそれはいいとして、くろけん待望の新刊が文庫から。嬉々としてすぐ読み始めたが、残念な結果になったと言わざるを得ない。全く面識のない、立場も年齢も違う男女が集められ、死のゲームに参加するという設定がまず「SAW」っぽい。好きなワンシチュエーション・スリラーものだし、次々と犠牲者が出るその様もいろんな罠が用意されていて恐怖を煽る。窓も開けられず、助けも呼べずという状況の中、冷静な者、ヒステリーを起こす者に分かれており、キャラクターの描き分けという面でも完成されていると思う。思う、のだが。。せっかくここまで考えた設定なのだから、爆弾で吹っ飛ぶ仕掛け、というのが普通すぎてなんだかなあ。。。

ほんでもって、犯人予想してた人だった(゚д゚)。
百歩譲ってそれは確率の問題なので良いとしても、根本的な問題、これ、罠にしても拉致した方法にしても絶対ムリ。ここまでの仕掛け、どんだけ天才なのかお金持ちなのかわからないが現実的に不可能。いや、この人じゃなくても一般人じゃなくても出来ないことだらけ。動機にしても、思うのと実行出来るのとは雲泥の差があるわけで。。。どうせなら、狂った博士の発明により、とかミステリアスなサイコキラーものだった方が。。。ノンストップ・ミステリーの謳い文句の通り、読む手が止まらない面白さを持っていただけに、ガッカリ感は半端なかった。大好きな作家さんの作品にこのような評価はしたくなかったが、次作に期待。

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