すべてが猫になる

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雀蜂  (ねこ3.5匹)

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貴志祐介著。角川ホラー文庫


11月下旬の八ヶ岳。山荘で目醒めた小説家の安斎が見たものは、次々と襲ってくるスズメバチの大群だった。昔ハチに刺された安斎は、もう一度刺されると命の保証はない。逃げようにも外は吹雪。通信機器も使えず、一緒にいた妻は忽然と姿を消していた。これは妻が自分を殺すために仕組んだ罠なのか。安斎とハチとの壮絶な死闘が始まった――。最後明らかになる驚愕の真実。ラスト25ページのどんでん返しは、まさに予測不能!(裏表紙引用)



これ、私のような貴志ファンだからこそ読まない方がいいかもしれないね。。。雀蜂に襲われる恐怖を色んな角度から描いていて、さらにサスペンスの要素もあるのだから結構面白いアプローチかな、と思ったのだが。。。いや、確かに、緊迫感はあったし様々なトラップや攻撃があって退屈はしない内容。てゆーか、主人公ハチにビビりすぎ。いくら一回刺されたら死ぬとは言え、腐っても成人男性なのだから。。小説家ということで、いちいち自分の作品を現状と照らし合わせてナンとかしようとするのは面白いが、対策のメインが「スズメバチ・ハンドブック」てところがもう。

ほいで、ラストの衝撃だのどんでん返しだの、ミステリーではもうコレしかほとんどなくない?といういつものアレ。貴志さんじゃなければ、たとえば新人だったら、ラストのほにゃららの手前で終わっていても評価してもいいぐらいの出来かもしれない。でも、貴志さんがコレはないよ。地味に面白かっただけに、あーもったいな。