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一月は合格祈願×恋愛成就=日常の謎  (ねこ3匹)

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霧舎巧著。講談社ノベルス

一月。正月早々、神社で強盗事件発生。それは犯人、被害者、凶器、証拠品が消失する前代未聞なものだった。以来、街では次々と不可解な出来事が!消える釣銭、一晩で玩具になる宝石、事件を完璧に予言する年賀状…七つの謎に霧舎学園の琴葉たちが翻弄される!学園ラブコメディーと本格ミステリーの二重奏、「霧舎が書かずに誰が書く!」“霧舎学園シリーズ”。一月のテーマは日常の謎。 (裏表紙引用)



やっと第10弾ですか。。。
7弾くらいから、「もうこの作者続きを出す気がないな」と諦めモードだったのだが最近忘れた頃にぽろぽろ出るから焦るのである。数少ないまだ付いて言っている読者(=自分)だとは思うが、あまりにもインターバルが長い上にキャラクターが多すぎると内容どころか主人公以外はほとんど忘れてしまっていても罪はないと思うが。あはは。

霧舎さんを好んでいる理由は、よくあるキャラものミステリーを描く作者と少し一線を画した「本格派出身ならではの内容」であるところなので、まあ今回もなくなった宝石の受け渡し方法だの真犯人をうまくミスリードしているところだのよくできているとは思うが。。。いかんせん、長編小説の中に日常の謎をばらまいて連作の形にしたところが成功しているとはいいがたい。とにかく読みづらい。何もすべての作品に全キャラクターを登場させる必要も感じない。説明が下手という国語教師としては致命的な脇野も暴走しすぎているし、宮司の郡司信司という名前も明らかに滑っている。女子キャラも痛いのが多いし、羽月警視も絶対に漫画にしか存在しない嘘くささだ。キャラに頼った末の、これがいわゆる中だるみというやつか。大きなガジェットとして霧舎学園の伝説を効果的に魅せるならば、テンポよく進んでもらえないと大きな損をしてしまいそうだなあ。