百器徒然袋――風 （ねこ４．４匹）

京極夏彦著。講談社文庫。

調査も捜査も推理もしない、天下無敵の薔薇十字探偵、榎木津礼二郎。過去の事件がきっかけで榎木津の”下僕”となった「僕」は、そのせいで別の事件にも巻き込まれてしまう。探偵を陥れようと、張り巡らされた罠。それに対し、榎木津の破天荒な振る舞いが炸裂する！「五徳猫」「雲外鏡」「面霊気」の三篇を収録。

うわぁい、えのさんだえのさんだ（るん＾＾）。久しぶりだったな～～。ていうか、この「陰」「雨」「風」「雲」シリーズで、本書だけ読みこぼしていたのさ。本当に、京極堂シリーズはえのさんを読みたいがために読んでいると言ったら過言だけど出て来ないと泣く、本当に涙を流して泣く、それぐらい大好きなキャラ。さすがに続けて読むと飽きるかもしれぬが（濃いからねー）、久々なだけにえのさんラブスイッチ入りまくりのわたし。

それにつけても帯からしてすごい。
「待たせたな！僕だ。うはははは。」
「僕はこの世でただ一人の正しい探偵榎木津礼二郎だ！」

帯にうははははって。。。うはははは。。。

封入特典・京極夏彦しおりも美しい。ウキウキと使ったぜうはははは。

ところで、本書の語り手である自称・平凡普通凡庸一般人の本島って初登場？もう忘れたわあ＾＾；京極堂に毎回「榎木津と関わると馬鹿になるから付き合うな」と言われているにも関わらず、自ら関わり合いになってしまうという。。しかも下僕よりひどい扱いを受け、えのさんに必ず下の名前を間違えられる。。そりゃいつものえのさんじゃないかと言えばそうなのだけど、彼の場合は本当にその間違え方が酷い。。誘拐されて監禁されたりするしねー。益田は常に「マスカマ」「カマオロカ」だしねー。それでも、一同口を揃えて「関口君よりマシ」だなんて。。（笑）そりゃそうだけど＾＾；

まあ、内容については各自ご確認下さい。どれもこれも、結局はえのさんの一人舞台であってえのさんが遊んでいるだけなので（笑）。どんな悪党も、どんな腕に覚えがあろうとも、えのさんにかかったら下僕以下の天麩羅扱いだから。。（意味不明の方は本書にて＾＾；）

今回の衝撃の台詞大賞はこれかな。
「僕は存在が探偵なのであって、仕事してる訳じゃないんだから簡単には終わらないのだ。仕事をするのは下僕の役目であって神の役目ではないッ。神は衆生に施しを為すのみッ。無能な下僕と一緒にするのは間違いだッ。解ったか」

ちょっと口調がジョジョっぽいのが気になるがまあいいでしょう。
そしてやっぱりえのさん、最後の最後にこのハートウォーミングなオチ。こりゃ反則だ。なにこのツンデレ。わたしを何回惚れさせりゃ気が済むの。ああメロメロ。