すべてが猫になる

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みんな邪魔  (ねこ3.8匹)

 

少女漫画『青い瞳のジャンヌ』をこよなく愛する”青い六人会”。噂話と妄想を楽しむ中年女性たちだったが、あるメンバーの失踪を機に正体を露にし始める。飛び交う嘘、姑息な罠、そして起こった惨殺事件――。辛い現実から目を背け、ヒロインを夢見る彼女たち。その熱狂が加速する時、新たな犠牲者が……。殺人鬼より怖い平凡な女たちの暴走ミステリ。


本書は、単行本で「更年期少女」として上梓されたものを文庫化にあたって改題した作品。「更年期少女」を既に読まれている方はご注意ね。

 

さて、昨今ミステリマニアの間では「イヤミス」というジャンルが広まっているらしい。へえ、知らなかった^^;ま、いわゆる本書のように「イヤ~~~な人間を描いた、イヤ~~な気分になるお話」のことなんだろうね。あらすじに「平凡」とあるけど、ここに出てくる女性皆平凡じゃないと思う。。何かに打ち込んで、作品を作ったり会合を開いたり、その点だけでも私のイメージする「平凡」な人間ではないと思うのだけど。漫画世界のことはよくわからんけど、実際社会人や主婦でオタクやってる人で「社会に紛れてもやっぱりイタい人間」なんて一握りだと思うのね。これ読んで、「ああやっぱりオタクってヘンな人ばっかりなんだ」という認識を植えつけられる人が居ないといいけど。

 

っと、話それた。で、本書は別にオタクじゃなくてもイタいんじゃない?っていうような人々ばっかりなんだよね。。少なくとも私はそう受け止めた。オタク要素なくても充分面白く読めたよ、きっと。オタク部分はバカにする気はないけど、人間性は充分「関わりたくない」に分類する人々。仲間からお金巻き上げるシルビア(バツイチ子持ち、借金まみれ)といい、オレオレ詐欺より見え見えな嘘を鵜呑みにするエミリー(主婦、夫がDV)といい。エミリーみたいな人は絶対ネットやっちゃダメなタイプね。こういう人らがお茶会とか言って「あら奥様オーホホホ」とかやってるところはホラーですな、まったく。


ま、女同士の嫉妬やら見栄やらが爆発していて凄いんだけども、「やり過ぎ」てて笑けてくるのはいいことなのか悪いことなのか。彼女たちの抱えている家庭の問題やら犯罪やらはリアルでゾっとするところもあるので、いいバランスかな。まあなんというかこの物語、どいつもこいつも凄いことになってます^^。