すべてが猫になる

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精霊たちの家/La Casa de Los Espiritus  (ねこ3.8匹)

イザベル・アジェンデ著。国書刊行会

 

前世紀末からチリ・クーデターまでの一世紀を舞台に、奇想天外なエピソードと奇態な人物がとめどもなくつむぎ出される、幻想と恐怖と笑いに充ちみちた年代記。奔放な想像力と見事な語り口によって、現実と非現実のはざまに百年の歴史を描き出した本書は、非業の死をとげたアジェンデ大統領の姪のデビュー作として、そしてまた、『百年の孤独』にも比すべき魔術的リアリズムの傑作として、大きなセンセーションをまきおこした超話題作である。緑色の髪をなびかせる美少女ローサの妹クラーラは、毒殺された姉の屍体が無残な解剖をうけるのを目撃したのち、いっさい人と口をきかずに現実を遮断した世界に閉じこもった。クラーラは、念力で塩壺を動かし、椅子に座ったまま空中に浮かび、霊界と交信できる不可思議な能力の持ち主だった。9年の沈黙の後、19歳になった彼女は突如ローサのかつてのいいなずけエステーバン・トゥルエバと婚約し、精霊たちが見守る迷路のごとき宏壮な館で結婚生活をはじめるが……


どっしゃ~~~~~~。

 

約400数ページ2段組、な、な、長かったあ~~~~~(><。)やっと終わった~~~(><。)
と、本の感想よりそれしかまず言いたいことがない。。ぜえぜえ。ぜえ。

 

そりゃもう、最初の幼児が老衰で死ぬまでの年月は経ってるんだもんなあ。。ここまで行くと自分が育てたような気分だよ。それにしても、もっとオカルトを前面に押し出した作品かと思っていたら全然違った。クラーラの能力も、死者ローサの存在も、物語の雰囲気作りに使われてる感じなんだね。最初、母の首を地下に隠す家族とか(笑)、ローサの死体に興奮する男のやってることとか悪いが笑っちゃったんだけど。ずいぶん長く描かれているから重要人物かと思っていた叔父マルコスはただ飛行機作って飛んでっただけの人だったし(笑)。まあその、セベーロ家と彼らに関わった人々の人生模様が描かれ続けているんだわさ。

 

この中で特に重要な存在はもちろんクラーラと、語り手のエステーバン・トゥルエバ(二人エステーバンがいるからずっとこの表記)。恐らく老人の身になってから回想してるんだろうけども、こいつがとにかく暴君のとんでもないイヤな奴で。ずっと嫌いだった。農地を拓いたり人を使う才覚はあるんだけども、あっちこっちに子供作っては知らん顔したり、ちょっと自分の意に沿わなかったりするとすぐ女に暴力。人は殺してないとか言ってるけど、強気になるの弱い者に対してばっか。結局娘の恋人も殺せなかった。
しかし、コイツが語ってるってことはコイツは最後まで死なないんだなとウンザリ。


登場人物は男も女も子供も面白くて変わった人ばかりでそこは楽しめる。それぞれが、ああなんでそいつと結婚しちゃうのよ!とかなんでそこで逃げないのよ!とか、まるで運命に操られてるかのような道ばかり選んじゃう。中には歳とともに性格が変わっちゃう人とか、少年時代に出ていて急に大人になって出て来て驚かされたりとか、エステーバンから去って行って成功した人、転落して行く人、絡み絡まる人間模様がたまらない。エステーバンは最後おとなしくはなったけど、根本はそれほど変わってなくて最後まで嫌いだった。。前半はちょっと笑えるところもあったけど、後半につれ時代も変わって政治も絡んで緊迫感が出て来たかなあ。「百年の孤独」は読んでないのだけど、よく比較して感想書いている人がいるね。
私、実は図書館でパラっとページ開いてみて、単行本のくせに20年前の文庫並みの字の小ささと2段組にたじろいて3行ぐらいでやめてしまったんだよね^^;

 

まあでも、とにかくコッチでくたびれましたわ。。しばらく大作は控えます^^;