すべてが猫になる

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不祥事  (ねこ4.2匹)

池井戸潤著。講談社文庫。

 

ベテラン女子行員はコストだよ――そう、うそぶく石頭の幹部をメッタ斬るのは、若手ホープの"狂咲"こと花咲舞。トラブルを抱えた支店を回って業務改善を指導する花咲は、事務と人間観察の名手。歯に衣着せぬ言動で、歪んだモラルと因習に支配されたメガバンクを蹴り上げる!新ヒロインの活躍が痛快なオフィス名編集。

 

うお~~~~~(ノ><)ノ

 

面白い~~~~~

 

面白い~~~~~

 

あ~~~スっとした!あ~~~気分良かった!な、池井戸潤さんお得意の銀行小説!

 

え~、東京第一銀行に営業課の事務処理対策として設置された事務部の「調査役」相馬と、相馬の部下として配属されたベテラン行員・花咲舞が織り成す銀行トラブル解決チーム。様々な支店で起きる現金過誤や口座相違などの重要過誤を調査し、事務員のレベルアップのため指導に出向くというのが具体的な役目。こう書くとおカタそうな小説だけれど、全然そんなことはない!銀行と言えば家賃の振込みと通帳記入ぐらいしか人生で用のない私ですらスラスラスラっと読めるのでご安心を。

 

とにかく銀行ってやつは、そのお偉いさんってやつは、お客でなく自分の出世やプライド、保身のことしかどいつもこいつも考えていないのかい!?ってくらい、とんでもない奴ばかり出てくる。ちょっとムカつく同僚とか、恥をかかされた客とか。そういう理由もあるんだからもしこれが事実と相違ないなんてことがあれば黙ってられない。そんな読者の強い味方が、ここに登場するヒロイン・花咲舞ちゃんだ。とにかく仕事は出来る。が、とにかく正義感が強く上司であろうとどっかの御曹司であろうと相手が間違っていたら見境なくブチ切れるため(笑)、花咲を以前からよく知る相馬には「狂咲」という恐ろしいあだ名で呼ばれる。ちょっと命名にバブルの匂いがするがまあいいでしょう。

 

体裁は連作の形を取っているものの、一編一編舞台が変わり別の問題が浮上するため飽きさせない。まあ、舞ちゃんの必殺技がいつも平手打ちだったり解決が力技一辺倒に見えるのはいただけないが、カンだけでなくきちんと毎回証拠を固め、地道に調査し、相手をぐうの音も言わせないまでにたたき潰す様はもう痛快!最初はチャラっとして見えたけどとんでもない!今まで読んできた小説の中で5本の指に入るカッコイイヒロインだと思う!少なくとも読んでいる最中は確実にわたくし舞ちゃんに惚れていた。

 

えっと、意外とこれ、女性向きだと思う。あと、あまりこの記事を真に受けないようにね^^;ゆきあやのツボにめっちゃ入っただけなので、文学的に深みがあるとか、鋭い理論展開とか、人間ドラマの機微とか、勉強になる要素とか、連作としてのまとまりとか、そういったものは一切ありません。いっそ、水戸黄門ぐらいのノリで向き合った方がいいかも。