すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

恐ろしい玩具/The Case of the Deadly Toy  (ねこ3.7匹)

E・S・ガードナー著。ハヤカワ文庫。

 

ノーダに嫌がらせの郵便が次々に送られ始めたのは、彼女が富豪の息子マーヴィンとの婚約を解消してからだ。彼の仕業と思われたが確証はなかった。ある日、ノーダはマーヴィンの先妻ロレインに招待された。その夜、ノーダの熟睡中に何者かがマーヴィンを射殺するという事件が起った。しかも、名弁護士メイスンが相談を受けた時には、容疑はすでに無実の彼女にかかっていた。その上、凶器の拳銃をふだん玩具代りにしていたロレインの息子が姿を消した。嫌がらせの郵便から少年失踪に至る一連の怪事件を仕組み、ノーダを陥れた真犯人の目的とは?


ペリイ・メイスンシリーズの第58作目だと(笑)。
わたくしこのシリーズが昔大好きだったので、家に結構たくさんあります。ボロボロだけど。結構有名なシリーズだと思っているのだけど、ブログ開設以来どなたのところでも記事を見た記憶がない(;;)。「絶版」ってこういうことなんだな。ホロリ。ご存知ないという方、「どもりの主教」というタイトルに聞き覚えはありませんか。あれの人です。←不親切か!

 

このシリーズの何が魅力かっていうとまずは法廷物でありつつ翻訳物のクセに異常に読みやすいってところ。あとは事件のネタが結構一般人に起きそうな隙間を突いてきて馴染み易い。そして何よーり!名弁護士・ペリイ・メイスンのスマートかつ人を食った「喋り」かつくっつきそうでくっつかない秘書のデラ・ストリートのキュートかつセクシーさ。そしていつも電話で「やあ、ペリイ」と登場するメイスンのともだち・探偵のポール・ドレイクのエネルギッシュさなんだね。


さて今回の事件は結構大変。だって、子供が拳銃で遊んでいて父親を撃ち殺しちゃった!?という内容なのだから。離婚問題も絡んでいるし、ちょこちょこ浮かび上がるベビー・シッターたちもうさんくさい。こいつらは事件の鍵を握る救世主なのか犯罪に絡んでいるのか!?そして息子が誘拐されたよ!ってなもんでさすがのメイスンもてんてこまい。

 

事件の解決は複雑ながらスッキリ。とは言え、「ああ!あなたはそうよ!弁護士のペリイ・メイスンね!」と一般人に言われてしまうほど顔をさす有名人が参考人のところへ堂々と芝居を打ちに行く、っていうのはどうかと思う^^;あんなに綿密に計画したのに、バレるの早すぎだろ。。


でもやっぱ面白いね、このシリーズは。どれも300ページ前後でスリムだしどれからでも読めるっていうのが。ちなみに私のオススメは「カナリアの爪」「五人目のブルネット」「義眼殺人事件」^^良かったら~。(古本屋にもめったにないと思うけど^^;ときどきぶくおふの105円棚でどれかは見かけます)