すべてが猫になる

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図書館内乱  (ねこ3.7匹)

有川浩著。角川文庫。

図書隊の中でも最も危険な任務を負う防衛隊員として、日々訓練に励む郁は、中澤毬江という耳の不自由な女の子と出会う。毬江は小さいころから面倒を見てもらっていた図書隊の教官・小牧に、密かな想いを寄せていた。そんな時、検閲機関である良化隊が、郁が勤務する図書館を襲撃、いわれのない罪で小牧を連行していく――かくして郁と図書隊の小牧奪還作戦が発動した!?書き下ろしも収録の本と恋のエンタテインメント第2弾!(裏表紙引用)


やっとですか、と言いたくもあり満を持してと言ってあげたくもある「図書館戦争シリーズ、一気に文庫化」。平積みにされたシリーズ六種を眺めてウホッと奇声を発しそうになったのをかろうじてとどめる私。そして本屋を出るまで2冊しか買わないという冷静さをキープ。成長したな自分。

とは言うものの。
1作目の記事を書いた覚えがないことからもわかる通り、私は多分このシリーズはあまり好きではない。日ごろから有川ファンを自負している自分だが、看板とも言えるこのシリーズを好まないさらに読破すらしていないというのは。。もし生きている間に有川さんご本人にお会い出来たとして目をキラキラさせて「大ファンなんです!サイン下さい!」と胸を張って言えないことを意味している。というわけでさあ読もう。さあ楽しもう。


叶いもしない妄想はさておき。

読んだ読んだ読みました。


う~~~ん(笑)。。。

いや、面白いよ。面白いとも。要は、37歳が読む本か?というしょうもないプライドと、どうしても「マンガを読んでいるような気分になる」という感じる必要のない罪悪感がジャマをしているんだね。登場人物紹介欄がイラストだしね。ヒロインが「熱血バカ」っていうのは絶対欠かせない設定だよね。誰からも嫌われない正統派だけど完璧じゃない。ルフィも星矢もキン肉スグルもそうだよね。まあそれはいいとして、図書館隊の部署名?とか役職名とかの羅列とラノベのような文体がちぐはぐでどうにもこうにも読みづらいんだわね。これって、でも、焚書であるとか本を選ぶ自由の剥奪とか、結構根っこにあるのは本好きのみならない大問題なんだわさ。それを戦闘で取り返す、防衛する、っていう要素を受け入れられるかどうかだわね。それよりもベタ甘展開のほうがすんなり受け入れられやすい気がする。。

ところで、本作で「レインツリーの国」の毬江ちゃんが1話ヒロインとして登場。そちらを先に読んでいたほうがいいと思う。前知識がないとラブストーリーが突然でつらいよ。(なんか歌のタイトルみたいになったが^^;)郁の場合は王子様の正体がわかったところで(郁以外は知ってるんだがね)次作に続いてしまった。これはまあ続き次第ということで。柴崎に言い寄ってたあんちゃんについては、どうだろうね?イマイチ最初からいけ好かない好青年だったからいいんだけど、ちょっとは傷ついたんじゃないかな~さすがの柴ちゃんも。


てなわけで、寛容な気持ちで読めば恋愛小説としてこんなに楽しめます(笑)。続き買わなきゃ。