すべてが猫になる

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もはや死は存在しない/No More Dying Then  (ねこ3匹)

ルース・レンデル著。角川文庫。

”聖ルカの小さな夏”と呼ばれる小春日和の一日が終ろうとする頃、少年行方不明の報がキングズマーカム署に届いた。最近ロンドンから移ってきた母子家庭の10歳になる少年である。捜索隊が組織されたが、見つからないまま、その日は暮れた。ウェクスフォードもバーデン刑事も、八ヶ月前から行方不明のままの、もう一人の少女のことを思い出した。はたして二つの事件は関連があるのか?やがて少年のものらしい切りとった金髪の束が送られてきたが…。(あらすじ引用)


なんだこりゃ、ハーレクインロマンスか??

ウェクスフォード刑事シリーズ第6弾ということだが、自分がこのシリーズを読むのは2冊目。なんだかその間にスゴイ事があったとみえて、バーデン刑事の奥さんは亡くなって彼は腑抜けになっているし義妹がサラっと子供たちの親代わりとなっているし。。え?^^;ええ??^^;グレース(義妹)が親代わりとなるエピソード知りたいんだけど。。と思うぐらいこの様子が不自然きわまりなかった。どう読んでも、この二人が愛し合ってるというようなくだりは見つけられないし、グレースはバーデンにぶち切れ寸前だし、バーデンは事件関係者の頭のヨワイ母親とねんごろになってるし一体全体これはどういうことやねん??^^;;こういう小説に出てくる「自称・忙しい男(刑事)」って、決まって同じ台詞を吐くのだが、どう同情的に見ても「どうしても、絶対に抜けられない仕事、用事がある」「子供の相手をする時間がまったくない」ようには見えないのだ。

そんなこんなで、事件の真相を追うなんていう読み方は出来やしない。実際これだけじゃ作品にならないような抜けた真相だったし。こんなしょうもない男ほっといて、事件をちゃんと読みたかったよ。。おかげさまで最後にさらっと事件を解決しただけのウェクスフォードがやたらかっこよく見える。。こういうのって、私の好きな「ロマンスの要素」の範疇から逸脱し過ぎている。バーデン刑事はそういう器じゃないって、身の程を知るべし。