すべてが猫になる

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雪の死神/La Mort des Neiges  (ねこ3.9匹)

ブリジット・オベール著。ハヤカワ文庫。

目も見えず口もきけない、全身麻痺のエリーズは、二年前に解決した殺人事件が小説化され、一躍有名になった。雪山を訪れた彼女に偏執的なファンから立て続けに不気味なプレゼントが届く。警察に届けたところ、麓の町で発生した惨殺事件と繋がりがあるという。彼女のファンがその殺人鬼で、彼女も狙われているのか?史上もっとも非力なヒロインが苛酷な運命に頭脳で抗う。読書界を驚嘆させた傑作本格『森の死神』の続篇。(裏表紙引用)


シリーズ第二弾。

す、す、すごい作品だなあ。。。。。。

ヒロインの全身麻痺(今回から左手だけ動くので筆談可)っていう設定だけでもなかなかだと思うんだけども、今回障がい者施設がメイン舞台となっており。登場人物紹介欄がほとんどそこの人々だから、ミステリとしてこれどういうつもりなんだろうと思ってしまうわけ。しかも、何者かに命を狙われるヒロインとその介護者イヴェットにステーキ肉が送られてきて、まあそれを焼いて食べるんだけど(笑)。てか、知らん人から送られて来た肉を。。デパートの包装紙や箱もないし(あってもキモイが)、無造作に包んだだけのソレを食べるなよ~~^^;ほらほら言わんこっちゃない。近所で、「肉を切り取られ殺された女性」の事件が騒がれてるのに^^;;絶対それってあれじゃん;;;

と、このように、ヒロイン(しかもシリーズもの)に○肉を食べさせるブリジット・オベール。それだけではなく、事件が進展すればするほどますます悲惨。こういう作家さんだってもっとちゃんと知ってたらなあ、真相にここまで度肝を抜かれなかった気がする。。こんなんアリかよー^^;;;


なんというか、ヒロインの性格がなんとなく悪い(笑)からこそ面白いし、リンカーン・ライムもびっくりの猟奇っぷりは刺激的だし、とにかく何もかもヘンだ。前作よりコミカルだなあと思っていて少し残念に感じていたけれど、だからこそB級っぽくて釣り合いが取れてるのかな。