すべてが猫になる

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ブルータスの心臓  (ねこ3.6匹)

東野圭吾著。光文社文庫

産業機器メーカーで人工知能ロボットの開発を手がける末永拓也。将来を嘱望される彼は、オーナーの末娘・星子の婿養子候補になるが、恋人・康子の妊娠を知り、困惑する。そんな矢先、星子の腹違いの兄・直樹から、同僚の橋本とともに、共同で康子を殺害する計画を打ち明けられ…。大阪・名古屋・東京を結ぶ完全犯罪殺人リレーがスタートした。傑作長編推理。 (裏表紙引用)


久々の読書記事で緊張しますな。。

先日、金曜プレステージで「東野圭吾3週連続スペシャル」つーのをやってました。ここの皆様なら観たよって方も結構居られるかもしれませぬ。で、わたくしは「あ!藤原竜也主演じゃん!」という理由でこの作品のときだけ録画しておいたのですが。。読んでいないことに気づき。。しかも、積ん読にあることに気づき。ドラマ観る前に読んでおこうというわけで。


これはなかなか設定も人物造形もイイんでない?
殺人者A、B、C、そして後から現れたDってのがなかなか意外な展開。倒叙と思いきや、殺された相手も違うし犯人であるはずの人物は早々に死ぬし。そもそもロボット殺人で始まる不気味なプロローグがいい。これがどうこの事件に繋がるのかは最後までわからなくて、真犯人もそれなりに意外な人物を持って来てある。最初と最後である人物の印象がコロリと変わるというのも、「性格」というより「理由があって動く人間そのものの怖さ」のほうにテーマを絞ってあって興味深い。

主人公の恋人はさすがにスゴイ軽いというか有り得ない印象があったものの、その奥に隠された秘密を暴いてみるとわからんでもない。個人的には、何股かけるにしてもこういう「身近」で揃えてしまうっていうその神経がわからんが。。。


気になったのは、刑事軍団は居なくても良かったかなーというのと、ラストは悲劇のほうだけに向かって行って推理ものとしてはやっつけ感を感じてしまったことかな。問題編、としては本格推理ものに匹敵する細かさだったと思うだけに残念。ま、ドラマ楽しみですわ。観た方居ますか?どうでした?