すべてが猫になる

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夜明けの街で  (ねこ3匹)

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東野圭吾著。角川文庫。

不倫する奴なんて馬鹿だと思っていた。ところが僕はその台詞を自分に対して発しなければならなくなる―。建設会社に勤める渡部は、派遣社員の仲西秋葉と不倫の恋に墜ちた。2人の仲は急速に深まり、渡部は彼女が抱える複雑な事情を知ることになる。15年前、父親の愛人が殺される事件が起こり、秋葉はその容疑者とされているのだ。彼女は真犯人なのか?渡部の心は揺れ動く。まもなく事件は時効を迎えようとしていた…。 (裏表紙引用)


※若干の暴言が入っている記事です。ご承知の上お読み下されば助かります。




東野さんの未読作品が先月文庫化。不倫の話だとは知っていたし、評判の悪さも知っていたが。。。やっぱね、面白さは信頼してるから読まないという選択肢はないわけ。

で、内容はやはり評判通り^^;
最初の30数ページで登場人物を殴りたい心境になる本って凄い。。ひ、東野さん?と思うほどヒドイ。
どこかで聞いたような不倫を正当化する心理描写と言い訳がこれでもかこれでもかと。あまりのバカっぷりに嫌気が差しまくり、「あー、だるい、さっさとどっちか殺されろよ」とまで思った。あのさあ、小説だし、別に本気で批判する気はないよ。ただ、自分は不倫の被害者なので「アホか」と思うぐらいの権利ぐらいないと困るだけ。ていうか、最後まで読まなくてもわかると思うのだけど、東野さん自身は、不倫を揶揄するつもりで主人公と相手の女性の人物造形を作ったんだと信じる。

そういうわけで最高に不快な作品ではあるのだけれど、ミステリとして読むならばそれなりに目を瞠るところはなかったわけではない。それは秋葉の家で過去に起きた殺人の真相のところではなく、「おまけ」の新谷君のお話のところ。本当はこっちがメインの仕掛けじゃないのかなー。と、思いたい^^;にしてはしょぼいけど。総体的に考えて、なにからなにまでくだらないという作品ではなかった。一般的にも、「面白い」の集合に入れて良いのでは。

(391P/読書所要時間2:30)