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サイコ/Psycho  (ねこ3.9匹)

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ロバート・ブロック著。創元推理文庫

シャワーカーテンの隙間からのぞく仮面のような顔。ぎらつく二つの目。メアリは悲鳴をあげはじめた。が、その声は切り裂かれた…肉切り包丁の一閃で!雨の夜、片田舎のさびれたモーテルでなにが起きたのか?大金を拐帯し失踪した婚約者を探すサムが見いだした、恐るべき真実とは?ヒッチコックの映画であまりにも有名なサイコスリラーの原点、今ここに復活!新訳決定版。 (裏表紙引用)


ロバート・ブロック2冊目。
昨年読んだ『切り裂きジャックはあなたの友』がかなり良かったので集めたいのだけど、ことごとく絶版な上、古本でもまともに見つかったのはこの代表作だけだった。。

というわけでわくわくと挑戦。

短いお話で、あらすじ通りの事が読者の予想通りに展開するサイコスリラー。淡々と続くブロックの描写には無駄がなく、静かなモーテルの雰囲気の中一瞬の内に悲劇が起きる。惨劇の後には静寂があり、余韻が恐怖を倍増させるのがさすがだ。そして定石通りに第2の悲劇が起きるが、ここから一転して事件の様相を一変させる真実が判明する。その時点でからくりは読めてしまうのだが、それでも恐怖感を維持し戦慄のラストへ持って行く手腕が見事。正直エピローグは蛇足だと思って読んでいたが、最後の一行で落とされた。古い作品ながら新訳ですいすいと読まされた。傑作だろう。

しかし。
こわいよ~~~~ぅ。
こわかったよ~~~~ぅ(T_T)。。さすがスティーヴン・キングに影響を与えた作家、貫禄充分ですな。。

                             (236P/読書所要時間2:00)