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樹霊  (ねこ3.6匹)

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鳥飼否宇著。創元推理文庫

植物写真家の猫田夏海は撮影旅行の最中「神の森で、激しい土砂崩れにより巨木が数十メートル移動した」という話を聞き、日高地方最奥部の古冠村へ向かう。役場の青年の案内で夏海が目にしたのは、テーマパークのために乱開発された森だった。街路樹が謎の移動を繰り返し、アイヌ代表の道議会議員が失踪、さらに墜落死体が発見されたとき、夏海は旧知の<観察者>に助けを求めた!(裏表紙引用)


猫田&鳶山シリーズ第3弾(たぶん)。
旧知の<観察者>とか書かないで欲しいなあ。だからシリーズものかどうか悩むんだよ。。先日しら菊さんとこで「鳶田シリーズ」とか書いて勝手に新キャラ作っちゃったし(笑)、もっと探偵役の名前を連呼しておくれよ。

そんなこんなで、鳥飼さんお得意のネイチャーミステリ。
アイヌとか、植物系蘊蓄が満載でやはり読みづらい。読みながら目がしぱしぱして来た。明らかに物語に関係ない知識は必要ないと思うんだけどなあ。読者がその中から伏線を選り抜け、ってことか。
巨木が移動したトリックについては拍手。これは思いつかなかった。森林破壊について様々な警鐘が散りばめられていて、鳥飼さんの想いが伝わって来るし。どう考えても動機は見当が付けやすいものなんだけれど、こういうメッセージを優先したかったのかと考えると神妙な気持ちで読める。鳥飼さんならではのヘンさも控えめだったし、自重したのかな。

しかし、今回は切ないお話でしたねえ。。。
猫田さん、結局どっちが好きなの?移り気なんですかね。鳶山がアレだから^^;。

                             (296P/読書所要時間3:30)