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晩夏に捧ぐ 成風堂書店事件メモ(出張編) (ねこ3.6匹)

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大崎梢著。創元推理文庫

駅ビルの書店で働く杏子のもとに、長野に住む元同僚・美保から手紙が届いた。彼女の勤める地元の老舗書店に幽霊が出るようになり、おかげで店が存亡の危機にあると知らされた杏子は、アルバイトの多絵と共に信州へ赴いた。だが幽霊騒ぎだけでなく、二十七年前に老大作家が弟子に殺された事件をめぐる謎までもが二人を待っていて…。人気の本格書店ミステリ、シリーズ初長編。 (裏表紙引用)


成風堂書店シリーズ、第2弾~。文庫出た文庫出た♪

いやあ、癒されるなあ~~~~。
本屋さんが舞台で主人公が書店員さんというこの設定が癒されるなあ~~~(笑)。

前作『配達あかずきん』は短編集だったが、この第2弾は長編。杏子と多絵の成風堂コンビが休暇を利用して信州に出張するでよ^^。本屋に出現する幽霊、という設定自体はそれほど興味を惹かれないのだけれど、現場の”まるう堂”に関わっていた殺された作家と逮捕され獄中で病死した弟子、というネタがなかなかそそります。そこはまあそれほど特筆すべきものはないのだけど、この”まるう堂”が素敵なのよ~。老舗の本屋さんかあ。現代では大型チェーン店ぐらいしか本屋は見かけないので、こういう本屋さんが近所にあったらなあ。だって、”棚が話しかけてくる”のよ!自分が行きつけにする本屋の条件って「品揃え」オンリーだからなあ。しかし、大型デパートでは必ず”上層階”に本屋が入っている理由は目から鱗。うん、たしかにその通りだわ。。

さてさて、ミステリとしての感想は。

やっぱこういう作風で長編や殺人事件を扱うのは無理があるかな。
大学生が探偵でもいいけど、警察や大人相手を多絵がやり込めるシーンなど、そんな事警察が気付かないわけないような^^:

以下↓ネタバレします。未読の方はご注意。



















犯人特定の手段が「手に汗をかきやすい体質かどうか」ってどうなのよ^^;;;
誰でも人を殺したら手に汗くらいかくでしょうに^^;それが特定方法になるのは構わないけれど、
汗がついている理由なんていくらでもでっちあげられるでしょう。時効になってる事件なんだし、動かぬ証拠にはならないんじゃないの。。














というわけで、3作目は短編集を希望します。・・・って、とっくに出てるけど、どっちなんだろ。
あと、文庫巻末に久世番子さんの4コマ漫画が付いてます。単行本にも載ってた?


                             (283P/読書所要時間3:00)