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十一月は天使が舞い降りた見立て殺人  (ねこ3.6匹)

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霧舎巧著。講談社ノベルス

十一月。文化祭実行委員を務める琴葉と棚彦。本番に向けて準備が進むなか、何者かを狙って空から臼が落ちてきた。女生徒に届いたメッセージは、天使からの“殺人予告”なのか。それとも「ミス霧舎学園」を決めるエンジェルクイーンコンテストが標的なのか。学園ラブコメディーと本格ミステリーの二重奏、「霧舎が書かずに誰が書く!」“霧舎学園シリーズ”。十一月のテーマは見立て殺人。 (裏表紙引用)


霧舎学園シリーズ第八弾。二年四ヶ月ぶりのまさかのシリーズ新刊は十一月と十二月の同時発売。しかも、クリアケース付きの”プレミアムセット”版も二六〇〇円越えの大層なお値段で出ている。そんなにコレ人気あったっけ;;こんな事をして商売大丈夫なのか^^;勿論自分は通常版の方を二冊買ったが、こちらも琴葉ちゃん名刺やらなんやら色々付録がついていて苦笑。

まあ、このシリーズには正直あまり愛着はない。サラッと軽く楽しくミステリが読める上に、表紙イメージほどの萌えモノでもないから読んで不愉快になる事も逆にない。霧舎さんが人気がないのは知っているが、自分は好きなのだ。だから、新刊を出してくれるというだけで”あかずの扉”シリーズの続編が出るかもしれない、という希望を捨てなくてもいいんだとただただ嬉しいのである。

肝心の内容は相変わらず。主要キャラクター総出演の本書は、短いながらもいくつもの謎が絡み合って、ラストで怒濤の収束を魅せてくれる。本書のメインは、やはりあのキャラクターがずっと抱えていた物凄い秘密が明らかになるところだろう。新刊を出したと思ったらいきなりびっくりさせるぜ(;^^A

あとがきによると、このシリーズは本書から読み始めて欲しいらしい(おい!笑)。四月~十月の間に巧妙に練られた伏線が、本書→四月~と遡ることによって明らかになる仕掛けだとか。勿論自分のように順番に読んでも問題はないらしいが、こりゃ再読しろってことかい^^;

                             (197P/読書所要時間2:30)