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魔術師(イリュージョニスト)/The Vanished Man  (ねこ5匹)

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ジェフリー・ディーヴァー著。文春文庫。

ニューヨークの音楽学校で殺人事件が発生、犯人は人質を取ってホールに立てこもる。警官隊が出入り口を封鎖するなか、ホールから銃声が。しかし、ドアを破って踏み込むと、犯人も人質も消えていた…。ライムとサックスは、犯人にマジックの修業経験があることを察知して、イリュージョニスト見習いの女性に協力を要請する。 (上巻裏表紙引用)


リンカーン・ライムシリーズ第5弾。

・・・・・・・・・・・・・・(ノ><)ノ!!!!!!!!
リンカーン・ライムシリーズ、ここに来て頂点に達した!
ジェフリー・ディーヴァーは天才か神か!
ここまで初期からテンションが下がらない、むしろ上がるシリーズがあっていいのか!


今回の犯人はマジシャン。専門はイリュージョンで、早変わり、ピッキング、脱出マジック、アニマルイリュージョン、読心術、腹話術、マルチな技術を持つという、ライムシリーズ屈指の相手。誤導、誤導でどこまでも警察を欺く犯人に、今度ばかりはさすがのライムチームも後手に廻るばかりに見えた。
が、イリュージョニスト見習いのカーラを戦力に加え、遂に犯人を追い詰める。

上巻の時点で犯人の正体が割れ、さていかに話が展開して行くかと思うと、今度は極右武装組織<愛国同盟>による検事補殺害計画が大きく絡み、イリュージョニストの予期せぬ素顔と真の狙いが明らかになって行く。。。騙し騙されのイタチごっこに読む手が止まらない。

ああああ~~~~~!!
何度騙されたことでしょう。。。。
思えば、上巻の弁護士殺人計画を阻止したあたりから、既に騙され続けていたかもしれない。。
さすがにこの魔法使いとも言うべき犯人には科学捜査も及ばないか、とハラハラし続け、それでもやっぱりサックスとライムの活躍は見事だった。お互いの信頼関係が導いた結果だとしか考えられない。
今回はライム自身が車椅子でグリッド捜査を行なったり、犯人に命を狙われたりと今までとは違う展開が盛りだくさん。ロン・セリットーの出番も多かったし、ローランド・ベルの活躍は凄かったし。


※ここからネタバレします。未読の方はご注意下さい。







カーラなんだけど、下巻途中くらいから絶対こいつ何かあると思ってたのよ~~~。
だからライムが協力者だと指摘した章では「ほらほら!」と悦に入っていたのに、ライムに騙されたという^^;;でも、良かった。
そしてサックス、おめでとう~~~~(ノ><)ノ
まさか停職処分にはならないと思ってたけど。
金色のバッジを渡されて、「ところで、直属の上司はロン・セリットーだよ」の言葉を見た瞬間、本を投げ出して「ばんざーい!」と言いそうになった^^






ああ、凄い作品だった。楽しめたあ。
今回は辛くなるような展開はなかったし、すべてのどんでん返しがいい方に向いていたのがやっぱり良かったんだなあ。
さて、次は文庫が出たばかりの『12番目のカード』^^。楽しみであります。

                             (773P/読書所要時間5:30)