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垂里冴子のお見合いと推理 (ねこ3.9匹)

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講談社文庫。

連作短編集。
垂里家の長女、冴子(33歳)がお見合いをするたびに、事件に巻き込まれ、縁談はお流れーというパターンのシリーズのようです。

全体的な軽い雰囲気と、ほのぼのした垂井家の家族たちから「日常で起きる謎」を解いていく、という
タイプのものかと(平たく言えば、殺人の起きないミステリ)思っていたらところがどっこい、ちゃんと人死にます。
かと言って見合い相手が「そういえば僕は今こういう事件に巻き込まれていまして…」という話をもとに推理する、というスタイルでもない。
見合い中、しっかりと事件が発生。
とは言っても冴子さんが見合い相手などの仕草などから理論的に推理していくので現場をかけずりまわったり、聞き込みをしたりといった派手さは皆無。

この洗練された文章とほんの少しのダサさ、けっこうツボです。

ただ、冴子さんのキャラをもう少し立たせて欲しい、かな。