すべてが猫になる

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Another  (ねこ4匹)

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綾辻行人著。角川書店

その「呪い」は26年前、ある「善意」から生まれた?。1998年、春。夜見山北中学に転校してきた榊原恒一(15歳)は、何かに怯えているようなクラスの雰囲気に違和感を覚える。不思議な存在感を放つ美少女ミサキ・メイに惹かれ、接触を試みる恒一だが、いっそう謎は深まるばかり。そんな中、クラス委員長の桜木ゆかりが凄惨な死を遂げた!この“世界”ではいったい、何が起こっているのか?秘密を探るべく動きはじめた恒一を、さらなる謎と恐怖が待ち受ける…。 (あらすじ引用)


綾辻さん、待望の新刊はまたしてもホラー。しかも、今回は670ページを越える大長編。表紙も雰囲気がさいこう~^^これ、背表紙もいいのよ。女の人の目の色が左右違ってて綺麗なんだけど、、よ~く見ると「スキンケアをちゃんとしたまえ~」と言いたくなる怖いお顔です。綾辻さんご自身も「自信作」と仰っていたので大ファンゆきあやとしては期待しまくりの興奮しまくりです。

主人公は、胸の病気を抱えるホラー好きの少年。母は亡くなっており、父は仕事でインドへ。その関係で、東京から祖父母と叔母の住む夜見山へ一時期身を寄せる事になります。中3の5月から転校生として夜見山北中学にやって来た少年・恒一。やがて恒一は、クラスの普通でない雰囲気に異様さをおぼえ。。
ホラーとしては、学校の怪談をモチーフにした変哲のない設定です。が、古くから3年3組で変則的に起こる怪奇現象のルールやおまじないなど、綾辻さんらしい仕掛けとエッセンスが混じっていて面白いですねー。人間のあがきを嘲笑うかのように、どんな努力も裏目に出てしまい、死人が続出する。物語の肝は、「どうして」と「誰が」の部分なのですが、そのあたりの謎が浮かんでから原因究明へと転結する後半からは目が離せなくなります。ミステリ作家らしく、いつの間にか散りばめられていた伏線が見事回収されてゆきました。ううう、気付かなかった。。。そうだったのか。。。

長い物語でしたが、綺麗にまとまって読後感もスッキリ。綾辻作品の中でも「囁きシリーズ」や、「最後の記憶」「深泥丘綺談」あたりの作品が好みの方にはウケる事間違いなしです。あー、面白かった^^

                             (673P/読書所要時間5:30)