すべてが猫になる

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石の猿/The Stone Monkey  (ねこ4匹)

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ジェフリー・ディーヴァー著。文春文庫。

中国の密航船が沈没、10人の密航者がニューヨークへ上陸した。同船に乗り込んでいた国際手配中の犯罪組織の大物“ゴースト”は、自分の顔を知った密航者たちの抹殺を開始した。科学捜査の天才ライムが後を追うが、ゴーストの正体はまったく不明、逃げた密航者たちの居場所も不明だ―果たして冷血の殺戮は止められるのか。ドンデン返しとサスペンスの天才ディーヴァーの大人気シリーズ第四弾。 (上巻裏表紙引用)


リンカーン・ライムシリーズ第4弾!
前作『エンプティー・チェア』では舞台をアメリカ南部に移していたため、お馴染みの”ライムチーム”の登場がないのが残念だった。今回はまた舞台をマンハッタンに戻して、フルメンバーでお送りされている。ひゃっほう!トムが回復しております!ロン・セリットーも(大好き^^)、メル・クーパーも元気に登場!

本作はまた今までとは趣きを変えて、中国が絡んで来ます。中国史からして苦手なので不安でしたが、おおよその背景がわかれば凌げるのがディーヴァー作品の良いところ。密入国斡旋業者の殺し屋である”ゴースト”が今回のライムチームの敵となります。中国公安局刑事のソニー・リーと、連邦捜査官移民帰化局のピーボディとコーが合同捜査に加わり、それぞれがライムを中心に専門力を発揮していくわけですが。。

ああ、もう何から書いていいのかわからない^^;
サックスがダイビングでグリッド捜査という異例の仕事を成し遂げたあの章とか。
現場を汚染する警察官を地で行ってるソニー・リーとライムとの感動的な心の疎通とか。
密航者家族のそれぞれの親子の柵と、ポリシーを貫く現代中国のありのままの姿の衝撃とか。
ライムの大手術への心配と、サックスの子供を望む気持ちと裏腹にある悲しい事実とか。
ロン・セリットーが同棲を始めた事とか。むぅ。。。←明らかに私情^^;


物語やキャラクターにハマりすぎる自分の性格というのも、時に厄介だなあと。。
このシリーズに限りませんが、このところよく読むサスペンス小説では重要なキャラクターが死んでしまったり、命の危険にさらされたりする展開によく遭遇します。今回はちょっとかなり参った。。。ライムの心痛を思うと。。そしてそれを支えるサックスの重荷を思うと。。あの赤ちゃんだって、この2人に・・・と願ってしまったし、手術だって、ディーヴァーの采配でどうにかなるじゃん!(><)
この先、すご~く嫌な展開パターンをいくつも想像してしまうのだけど。。。まあ、それは読んでみないと分からない。とにかく、あの人の残した言葉がライムの決意を固めたのであれば、きっとこの作品がシリーズ中では大きな転機なんだろうな。

                             (785P/読書所要時間8:00)