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オタカラウォーズ ー迷路の町のUFO事件ー  (ねこ3.8匹)

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はやみねかおる著。講談社青い鳥文庫

飛行機が大好きな遊歩、千明、タイチ。3人は、夏休みのある日、伝説の暗号を記した宝の地図に遭遇。かつて、その宝をかくした絵者のなかまが、UFOにのって少年たちの前に現れます。地図の暗号をみごとにといて宝を手にするのは?はやみねかおる先生の幻の作品を青い鳥文庫化。(裏表紙引用)


はやみねさんの第3作目の物語です。
またしても完成度が高い・・・!!!

小学校6年生の仲良し3人組が、最後の夏休みに地球人類すべての命運を懸けた冒険譚。
平凡だけど優しくて活発な遊歩は町の伝説・絵者の子孫。その繋がりから、謎の円盤と暗号を託されてしまいます。友人のタイチは冷静で頭脳明晰、お転婆だけど可愛い千明。彼らは神社で出逢った謎の宇宙人・雷弥に円盤を渡すよう脅され追われてしまう。。人類を原始人に戻すなんて冗談じゃない!

雷弥の風貌とキャラクターはかなり魅力的。悪役なのだけど、夏祭りで浴衣を着たりヘンな所でマナーがあったりと面白い。オーパーツ研究家の霧上さんも不気味だけどクールで徹底したポリシーを持っていて素敵です。
まだ子供である遊歩達が、闇雲に円盤を守るのでなく、しっかりと未来と現状を見つめて自ら答えを出しているのも良いし、こんな世の中でも、やはり人類の残した芸術や知恵など、良いところを見つめて欲しいです。自分が遊歩の立場だったら、円盤渡してるかもしれない。。もう一度、ゼロから始める夢を見てしまうかもしれない。

いやあ、面白かった。またお気に入りの作品が出来ました。

                             (232P/読書所要時間2:00)